2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児科領域における遺伝子多型に基づいたオーダーメイド医療の構築
Project/Area Number |
17659308
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
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Keywords | 遺伝子検査 / 遺伝子多型 / ファーマコゲノミクス / オーダーメイド医療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小児科領域に関連の深い遺伝子多型を対象に、簡便迅速な遺伝子診断法を確立し、個別化薬物療法(オーダーメイド医療)が実施できる体制を構築することにある。 これまでに私たちは、CASSOH法と命名した独自のSMP検出法を開発した。今回わたしたちはこのCASSOH法をさらに発展させ、CASSOH-ELISA法を開発した。この手法はマルチウェルのフォーマットを用いることが可能で、一度に複数個のSNPを検出することができる。ヒトゲノム研究の成果を臨床に還元するに際して有力な手法になるものと考えられる。 さらにわたしたちは、血液検体ではなく、唾液の簡便な処理によって遺伝子診断が行なえる方法を確立した。従来の遺伝子検査には血液検体が用いられることが多く、肝炎・HIV感染の危険が危惧されるだけではなく、採血という小児にとっては侵襲性のたかい検体採取法にとってかわる優れた方法と思われる。これまで頬粘膜から抽出したDNAが使用される場合もあったが、収量が極めて低く、また抽出操作が煩雑であった。 以上の手法を用いて、小児科領域の診療に関連が深い遺伝子多型、ミトコンドリア遺伝子1555A>G多型、CYP2C19(*2,*3アレル)、NAT2(*5,*6,*7アレル)およびTPMT(*3Cアレル)の検出系を確立した。本研究において達成された遺伝子検査法は、今後、小児科領域におけるオーダーメイド医療に基づいた薬害予防のための検査法として、汎用される可能性があると思われる。
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