2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児の難治性EBウイルス感染症に対する効率的ペプチドワクチンの新規開発
Project/Area Number |
17659317
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
細川 卓利 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (10380312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇口 宏 高知大学, 医学部, 教授 (10116519)
宇高 恵子 高知大学, 医学部, 教授 (40263066)
黒田 正幸 高知大学, 医学部, 助手 (00253005)
今井 章介 高知大学, 医学部, 教授 (60232592)
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Keywords | EBV / ペプチドワクチン / CTLエピトープ |
Research Abstract |
近年、EBV関連疾患の診断、経過のモニタリング法はほぼ確立をみた反面、依然、難治性EBV疾患に対する有効治療の開発は見るべき進展がないままに経過している。養子免疫療法の報告はあるものの、期待されたほどの成績はまだ得られていない実情である。このような背景のもと、本研究では効果的なEBV-CTL誘導ペプチドワクチンの開発を目指している。 EBVの主な3つの潜伏感染様式で発現されているウイルス蛋白12種について、独自のコンピュータ予想プログラム(隠れマルコフ法)により網羅的にHLA-A24、A2拘束性CTLエピトープを推定した。その結果、特にA73、LMP2、LMP1、EBNA2については、海外でも未報告のものが多数含まれていた。このことは本エピトープ予想プログラムが既存のプログラムに比べ、実際の抗原分子の配列情報を読み取る能力にはるかに優れていることを示す。EBNA1については本予想プログラムでも数種類のエピトープ配列が予想されたにとどまった。これは従来から報告されてきたEBNA1分子の免疫回避機構を反映する結果であると考えられる。 次にその中から多くのEBV陽性細胞に普遍的に発現している蛋白であるA73、LMP1、LMP2A、EBNA1由来のものを選択、さらに予想解離定数(predicted Kd)が特に高値のペプチドをまずワクチン候補として合成した。合成したペプチドのおのおのについて、HLA-A24、A2を発現する腫瘍細胞株を用い、実際のHLA分子結合能(親和性)をstabilization assayにて検討、解離定数(Kd)の実測値を算出した。その結果、合成したペプチド中、7割程度の的中率で、実際に十分な親和性を有するものが見出された。特にA73、LMP2A由来のものは、どれも新規のものであった。
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