2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射線による脳皮質発達障害の分子機構:神経細胞遊走障害とCR細胞特定遺伝子の関連
Project/Area Number |
17659330
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
孫 学智 独立行政法人放射線医学総合研究所, 比較影響研究グループ, 研究員 (00284323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 千太郎 独立行政法人放射線医学総合研究所, 研究員 (60163268)
藤森 亮 独立行政法人放射線医学総合研究所, 研究員 (50314183)
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Keywords | 放射線 / 神経細胞 |
Research Abstract |
胎児の脳は発生学的な特徴から放射線に最も感受性が高い器官であり、ヒトの被ばく後に問題となるのは精神遅滞をともなう脳皮質発達障害である。その原因のひとつは神経細胞死と神経細胞の遊走障害と考えられる。しかし、神経細胞の遊走障害の分子機構、特に神経細胞遊走障害と脳皮質層状構造の形成と神経細胞遊走の役割を果たしているCajal-Retzius (CR)細胞の特定遺伝子の関連についてはまだ解明されてない。本研究はmGluR2遺伝子のプロモーターにGFP発現遺伝子を組み込んでトランスジェニックマウスを作成し、放射線による大脳皮質形成障害、神経細胞遊走異常に関して免疫組織化学的な検索と、CR細胞の遺伝子変動の網羅的解析を行い、放射線のもたらす神経細胞の遊走障害の分子機構を明らかにする。今年度はマウスにおいてCR細胞に主に発現するmGluR2遺伝子のプロモーターに、GFP/hIL-2R (human interleukin-2 receptor)をマーカーとして結合させ、GFP-Tgマウスを作製しました。PCR及びサザンハイブリダイゼーション法によりGFP/hIL-2Rをゲノムに挿入されるか否か、Tgマウス(ファウンダー、F及びファウンダーの子孫、F1)の検出を行った。妊娠13日及び生後2日に検出されたTgマウスの大脳を採取し、固定後、大脳切片を作製した。CR細胞の特異的なマーカー蛋白質、抗midkineと抗CR-50抗体を用いて免疫組織化学染色実験を進んでいる。
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