2005 Fiscal Year Annual Research Report
優性遺伝性皮膚疾患(ダリエー病、ヘイリー・ヘイリー病)治療薬のスクリーニング
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17659339
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 健造 京都大学, 医学研究科, 講師 (80291425)
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Keywords | ダリエー病 / ヘイリー・ヘイリー病 / カルシウムポンプ / 遺伝子転写 / ハプロ・インサフィシエンシー / 優性遺伝性皮膚疾患 / 脂溶性外用薬 |
Research Abstract |
培養表皮角化細胞をその形態を保ったまま、市販のKGM培地で培養し、60mmディッシュに多数使用可能な状態とした。培養したヒトの表皮角化細胞に、脂溶性の薬剤ライブラリーより各種の内因性作動薬や合成試薬を添加し、3,6,9時間後の表皮角化細胞内でのSerca2遺伝子のmRNA量をノザンブロットにより定量化した。その結果WIN55,212-2というカンナビノイド受容体の合成作動薬を比較的高濃度(10^<-5>〜10^<-6>モル)培養液中に加えた際に、6-9時間をピークとして目的であるSerca2遺伝子のmRNAの転写が亢進することを見いだした。 さらに薬剤ライブラリー中の他のカンナビノイド作動薬にも同様のSerca2遺伝子の発現を誘導する効果のあることを見いだし、ダリエー病の原因遺伝子であるSerca2遺伝子、ATP2A2蛋白の発現を亢進させる活性を発見した。 このカンナビノイド受容体は、内因性のモルフィネの受容体であり、これまでにCB1、CB-2の2つの同位体の存在が知られており、また我々のノザンブロットの結果より、両者の受容体が表皮角化細胞に存在することを確認した。 しかしながら合成カンナビノイド作動薬によりSerca2遺伝子の誘導には、10^<-5>〜10^<-6>モルという生理的濃度を上回る高い濃度の薬剤の添加を必要とするため、この効果がカンナビノイド受容体を介するものか、あるいは近似の受容体を介した作用なのかを現在検討中である。
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