2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659354
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
久下 英明 高知大学, 医学部, 助手 (70304673)
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Keywords | 脳の性分化 / PCl2細胞 / 神経突起 / 糖蛋白質 |
Research Abstract |
私共は、脳の性分化に関与すると考えられる遺伝子として我々が見出した遺伝子の一つMasculinの機能解析を行い、本遺伝子の発現が雄性化脳にどのように寄与するか検討している。本年度は、以下の研究を行った。 1.培養下で神経様細胞へ分化誘導できるPC12細胞にMasculinを強制発現し細胞レベルでの蛋白機能解明を行った。Masculinを強制発現すると、PC12細胞はNGFの非存在下においても著しい形態変化を起こし神経突起様の伸展を起こす事を観察した。さらに神経軸索のマーカーであるニューロフィラメントLが本蛋白質によって誘導され、軸索にそって発現することを見出した。以上の結果は、Masculinの神経細胞分化調節における機能を示唆している。またMasculinの細胞内分布を間接蛍光抗体法により観察すると、突起先端部に集中して局在し、かつドット状に分布することがわかった。これを生化学的に分画することにより本蛋白質が膜蛋白であることを明らかにした(2006年度 生化学分子生物学会発表予定)。 2.Masculin蛋白質の糖鎖解析 PC12細胞にMasculin蛋白質を発現しウエスターン解析すると、アミノ酸配列から予想される分子量より大きい位置に分子量の広がった蛋白質が検出された。またアミノ酸配列から糖鎖付加が予想された。そこでN型糖鎖を除く各種酵素を用いて解析することにより、PC12細胞に発現したMasculin蛋白質がコンプレックス型糖鎖を持つ糖蛋白質であることを明らかにした(2006年度 生化学分子生物学会発表予定)。
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