2006 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害モデルラットを用いてレプチンによる過食症状抑制の可能性を検討
Project/Area Number |
17659356
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井上 幸紀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (50254397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
切池 信夫 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60094471)
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Keywords | 摂食障害 / 過食 / レプチン / 不安 / プラスメーズテスト / ラット / 雌 / 脳室内投与 |
Research Abstract |
平成18年度の研究として平成17年度に得た結果を検討し、ラットレプチンの脳室内投与量(3μg/5μ1)や挙上十字迷路試験装置の実験条件を決定した。本実験として、実験動物はWistar系雌性ラット12週齢(摂食障害が若年の女性に好発することから、思春期に該当する週齢の雌性ラット)のものを使用した。薬物の脳室内投与のための外科処置としてchloral hydrate麻酔下で頭皮を切開し、脳定位固定装置を用いPaxinos&Watsonの図譜に従い第3脳室(大曹から前に0.6mm、左側に2.0mm、深さ3.2mmにガイドカニューレを挿入、固定し、1週間の回復期の後、ラットの活動期である暗期に実験を行った。 ラットに過食症類似状態を起こさせるために、1日2時間の制限給餌を7日間にわたり加えた。7日目のラットは過食類時状態を呈するため、7日目の2時間給餌後にラットレプチンを脳室内投与し、その30分後の不安関連行動を挙上十字迷路試験装置で測定した。 制限給餌を加えない状態ではラットレプチンを脳室内投与しても不安関連行動に変化を認めなかった。過食類時状態でラットレプチンを脳室内投与した場合、Open armへの侵入割合が減少し、不安が増強している結果が得られた。レプチンは通常条件下では不安に関与しないが、半飢餓状態では不安惹起作用を持つと考えられる。このことは摂食障害患者に不安障害が高率に併存する生物学的基盤の一部にレプチンが関与している可能性を示唆する。さらに実験個体数を増やし、一般行動に及ぼす影響を検討し、また得られた結果を国内外の研究者と討論する場を得られるように平成19年度研究計画を作成した。
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