2006 Fiscal Year Annual Research Report
卓上型シンクロトロンを用いた超拡大胸部X線撮影法の開発に関する研究
Project/Area Number |
17659365
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅士 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20179526)
新田 哲久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40324587)
山田 廣成 立命館大学, 理工学部, 教授 (10268162)
佐々木 誠 立命館大学, 理工学部, 講師 (20368004)
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Keywords | 卓上型シンクロトロン / 胸部X線撮影 / 超拡大撮影 |
Research Abstract |
平成17年度には種々の拡大率のX線写真において肺結節の辺縁等がどのように描出されるかを中心に検討を行った。そこで、今年度はびまん性肺病変を対象としたが、びまん性肺疾患では正常の肺血管に重なる形で生じるために、まず正常の血管が拡大像でどのように認識されるかを検討した。この目的のために我々が共同開発した胸部ファントームN-1(京都科学社)を用いて、みらくるXにおいて、密着画像と4.5倍拡大胸部X線画像を撮像した。拡大部位による画像の違いも評価するために、肺門部ばかりでなく、肋骨胸膜近傍部の画像も撮像した。肺野血管は密着像と比較して拡大像では、描出血管の分岐次数が増え、1平方センチ程度の肺領域内での分岐が確認できたことから、肺二次小葉レベルの血管が描出されていることが明らかになった。しかし、密着像以上に前後の多くの血管が重なるために正常血管が集合として網状影として表現され、びまん性肺疾患の評価には新しい診断基準が必要となると考えられた。また、肺門部と肋骨胸膜近傍部での血管の描出能には差がみられ、本システムではX線方向による画質の変化があることが示唆された。 技術面においても、小焦点を用いているためにX線の照射線量率がまだ小さく、分解能を保つためには胸部ファントムの拡大胸部X線撮影に長時間を要した。撮影時間を短くするとノイズが増加して画質が低下するので、本システムで用いたイメージングプレートを検出効率の高いフラットパネル検出器に変えるといったシステムの改良が必要と考えられた。また、被曝線量の軽減もこのシステムの大きな課題である。本研究を通じて、二次元の拡大画像には病変の評価に限界があることが明らかになったことから、今後は、このシステムを断層あるいはCT装置に改良していくことが必要と考えられた。
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Research Products
(1 results)