2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659375
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
玉井 好史 東海大学, 医学部, 講師 (90207225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 直人 東海大学, 医学部, 講師 (50349338)
辻 千鶴子 東海大学, 医学部, 講師 (80130079)
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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Keywords | 急性期肺障害 / リニアック / 気管支肺胞洗浄 |
Research Abstract |
本研究は、血管内皮前駆細胞および骨髄幹細胞の投与が放射線肺臓炎の治療に有効であることを示すことである。そのため前年度には血管内皮前駆細胞や、骨髄幹細胞を経静脈的に投与することにより投与細胞がラット放射線肺臓炎モデルの病変部位に集積するための至適条件を明らかにした。 本年度はまずラット放射線肺臓炎モデル(フィッシャーラットにリニアック20Gの線量を7分間右肺に照射するモデル)を使用し放射線肺臓炎モデルを作成し血管内皮前駆細胞および骨髄幹細胞を尾静脈や頚静脈より投与し、肺にどの程度の期間生着するか検討を行った。その結果、血管内皮前駆細胞および骨髄幹細胞ともに肺組織に1週間以上定着することが確認されたため、ラット放射線肺臓炎モデルに対する急性期放射線肺障害に対する検討を行った。 我々の用いているモデルではすでに、放射線照射2週後に照射肺の毛細血管の透過性が元進していることが明らかになっているので、放射線照射2週後に胸部CT写真を撮影し肺の浸潤影の有無を比較検討し、また、気管支肺胞洗浄および組織学的検討を行うことにより、治療効果を検討した。その結果、血管内皮前駆細胞や骨髄幹細胞を投与することにより、気管支肺胞洗浄液中の総蛋白量や細胞浸潤量は抑制され急性期肺障害を抑制することが明らかとなった。また、胸部CT所見でも同様に放射線照射肺における肺の浸潤影は著明に抑制され、急性期肺障害が抑制されることが確認された。また、病理組織学的検査所見上でも炎症細胞浸潤が明らかに抑制されていることが確認された。 以上の結果から本年度行った検討により、放射線肺臓炎の急性期治療に血管内皮前駆細胞や骨髄幹細胞の投与が有効であることが明らかとなり次年度に続く慢性期障害における治療効果の検討に希望を残す結果となった。
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