2005 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患・動脈硬化症の早期診断におけるFDG-PET検診の有用性に関する研究
Project/Area Number |
17659377
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
福島 和人 国立循環器病センター(研究所), 心臓生理部, 室員 (90393347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 道雄 財)先端医療財団, 分子イメージング研究グループ, グループ長 (00216558)
坂本 攝 財)先端医療財団, 分子イメージング研究グループ, 特別研究員 (40344402)
塩崎 俊城 財)先端医療財団, 分子イメージング研究グループ, 主任研究員 (50416393)
中本 祐士 京都大学, 大学院・医学系研究科・先端領域融合医学研究機構, 助手 (20360844)
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Keywords | 医療・福祉 / 検診 / FDG-PET / 虚血性心疾患 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
頚動脈エコーにて頚動脈に狭窄あるいは閉塞性病変を有する患者17症例(症候性8例、27病変のうち閉塞性3病変)を対象にFDG-PETを施行した。対象となった17例中8例で虚血性心疾患の既往があった。FDG-PETは4時間以上の絶食条件下でFDG投与60分後より頭蓋骨下部から心臓までを含めた範囲で撮像した。血管造影やMRI,CTなどの解剖学的情報を参照し、頚部狭窄・閉塞性病変へのFDG集積度を視覚的に判定した。また、心筋へのFDG集積パターンをA)均一な強い集積亢進,B)限局性の強い集積亢進あるいは集積低下,C)不均一な軽度の集積あるいは無集積の三群に分類し、虚血性心疾患(IHD)との関連性を検討した。頚動脈病変へのFDG集積に関して、27病変中14病変にFDG集積亢進を認めた。無症候性および症候性病変における陽性描出率はそれぞれ無症候性:8/19例(42%)、症候性:6/8例(75%)であり、症侯性病変において、より高頻度にFDG集積亢進が観察されることから、症候性病変の検出にFDG-PETの有用性が期待された。次にFDG心筋集積に関して、頚動脈狭窄・閉塞患者16例におけるFDG心筋集積パターンはA,B,Cそれぞれ2例(12.5%),14例(87.5%),0例(0%)であった。そのうちIHDの既往のある8例におけるFDG心筋集積のパターンA,B,Cはそれぞれ1例(12.5%),7例(87.5%),0例(0%)であり、IHDが示唆される集積パターンBの頻度が高く、従来の報告に合致する結果であった。さらにIHDの病歴が明らかでない8例におけるFDG心筋集積パターンもIHDの既往のある患者と同様の結果となった。IHDの精査および経過観察が必要であるが、無症候性心筋虚血あるいは潜在的な心筋虚血を反映している可能性があり、新たな知見と考えられた。
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