2006 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患・動脈硬化症の早期診断におけるFDG-PET検診の有用性に関する研究
Project/Area Number |
17659377
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
福島 和人 国立循環器病センター(研究所), 心臓生理部, 室員 (90393347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 道雄 財)先端医療財団, 分子イメージング研究グループ, グループ長 (00216558)
坂本 攝 財)先端医療財団, 分子イメージング研究グループ, 特別研究員 (40344402)
塩崎 俊城 財)先端医療財団, 分子イメージング研究グループ, 主任研究員 (50416393)
中本 祐士 京都大学, 大学院・医学系研究科・先端領域融合医学研究機構, 助手 (20360844)
|
Keywords | 医療・福祉 / 検診 / FDG-PET / 虚血性心疾患 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
昨年度は頚動脈に狭窄あるいは閉塞性病変を有する患者17症例(症候性8例、27病変のうち閉塞性3病変)を対象にFDG-PETを施行し、症候性頚動脈病変において高頻度にFDG集積亢進が観察されることを報告した。今年度は、癌検診目的にFDG-PETを施行した健常者における頚動脈FDG集積度と動脈硬化危険因子との間に関連性があるかを検討した。【対象および方法】癌検診を目的にFDG-PET検査が施行された連続329例のうち、50歳以上かつ脳卒中の既往のない182症例(男性118例、女性64例)を対象とした。頚動脈のFDG集積度をStandardized Uptake Value (SUV)を用いて定量的に評価し、頚動脈におけるSUVの最大値と動脈硬化危険因子:年齢、性別、血圧(SBP, DBP)、脂質代謝(T-Chol.,LDL-Chol.,HDL-Chol.,TG)、糖代謝(FBS, HbAlc)、肥満(Body Mass Index : BMI)との関連性を評価した。【結果】ステップワイズ重回帰分析により、BMI(<0.0001),性別(p<0.005),SBP(p<0.01)で有意な相関を認めた。【結論】癌検診目的で健常者に施行されたFDG-PET検査で認められる頚動脈のFDG集積は動脈硬化危険因子と関連性があった。特に肥満との強い相関がみられ、肥満を基盤としたメタボリック・シンドロームに伴う動脈硬化の初期病変を反映している可能性があり、今後、治療薬の介入による動脈硬化の進展阻止などの臨床応用が期待される。
|