2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー加工による超極細繊維を用いた新しい医療材料の開発
Project/Area Number |
17659381
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
進藤 俊哉 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (50206322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 秀範 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (80377556)
本橋 慎也 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (60377562)
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Keywords | 人工血管 / フィブロネクチン / 極細径繊維 |
Research Abstract |
当大学工学部が開発したレーザー加工法を利用し極細ポリエステル繊維を作成した。この繊維は、現在臨牀で用いられている人工血管の繊維と比較しより細胞のサイズに近い。まず、in vitroの実験としてこの繊維をシート状にし、細胞の付着試験をおこなった。用いる細胞の種類は、われわれがすでに培養で経験のあるヒト繊維芽細胞を使用した。6-wellまたは、24-wellの底に、われわれが作成したシートを固定し、そこで、静置培養をおこなった。付着の検討には、走査型電子顕微鏡により状態観察、または、ランダムに視野選択し、その細胞数を測定した。10%FBS下で付着の程度を比較すると、最低48時間の培養で細胞が繊維によく付着していた。続いて、より効率よく、細胞を繊維に付着させるため、細胞外マトリックスのひとつであるフィブロネクチンを培養前にコーティングすると、明らかに、付着細胞が増加した。10%FBSのみのコントロール群と比較すると、細胞同士がより接しており、完全に繊維を覆っていた。次に、3種類の繊維径からなる繊維シートを作成し、細胞の付着を検討した。それぞれ、十分に細胞が接着することが確認できた。そして、フィブロネクチンを使用するとより、付着細胞数が増加した。このことは、従来より細径の繊維を利用しても、作成したシート内部まで、細胞が入り込み、生体への移植後、従来のものと比較しより適合し、炎症反応を抑えることができると予測される。 今後の方針として、より人工血管内皮として優れていると考えている大伏在静脈、および幹細胞を利用を考えている。
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