2005 Fiscal Year Annual Research Report
血流改変と遺伝子治療による部分肝を用いた全膵臓機能再生の試み
Project/Area Number |
17659383
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00225434)
藤野 和典 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70402716)
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Keywords | 膵全摘 / 遺伝子治療 / Pdx1 / Ngn3 / NeuroD / 再生医療 / ベータセルリン / 糖尿病 |
Research Abstract |
膵病変の治療目的に行われる広範な膵切除に対し、肝臓の一部に血流改変と遺伝子治療を行い、全膵機能を再生させる新たな再生治療法の開発研究を開始した。 1、膵切除+肝血流改変モデルマウスの作成 正常マウスを全身麻酔下で開腹し、膵臓の95%を切除する方法は問題なく施行された。肝血流は、当初肝左葉を他の葉から独立化させ、門脈遮断と静脈門脈吻合による血流を改変を行い、膵臓と同様の血流支配を作り出す手術を行った。しかし、閉腹後1週間以上の生存率は10%と不良であった。そこで、肝右葉の一部を用いる方法へと変更したところ、良好な成績が得られ、このモデルを用いて検討を行うこととした。 2、未治療モデルマウスにおける膵ホルモンならびに膵酵素の発現 分離独立化させた1肝右葉では、血流が解剖学的に膵臓と同じになっており、遺伝子治療を行わなくても、膵組織の一部が出現してくる可能性がある。そこで、手術後1、2、4、8、12の各週において、分離肝の組織固定ならびにRNA抽出を施行し、組織染色と遺伝子解析による膵ホルモンと膵酵素の発現の有無を検討している。 3、遺伝子治療ベクターの作成と投与 膵分化因子Pdx1、NGN3、NeuroDならびにbetacellulinを組み込んだヘルパー依存型アデノウイルスベクターの作成は、依頼したベイラー医科大学において順調に進み、まもなく輸送され、モデル動物に対し投与実験を開始する予定である。
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