2005 Fiscal Year Annual Research Report
異種移植における免疫寛容導入を目的とした間葉系幹細胞・骨髄同時移植モデルの確立
Project/Area Number |
17659385
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川野 淳 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60133138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 寛 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20379267)
永谷 憲歳 国立循環器病センター, 再生医療部, 部長 (60372116)
佐田 正晴 国立循環器病センター, 再生医療部, 室長 (20162399)
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Keywords | 異種移植 / 免疫寛容 / 間葉系幹細胞 / 骨髄移植 / ブタ骨髄細胞 / 免疫不全マウス / 抗MHC class I抗体 / FACS |
Research Abstract |
本年度は3年計画の初年度として、ブタ骨髄由来の間葉系幹細胞を、マウスにブタ骨髄細胞と同時移植を行う実験系の基礎を確立した。 1)骨髄穿刺によりブタの骨髄細胞を取り出し、フラスコにて培養した。3日毎に浮遊細胞を除去し、底面に付着した間葉系幹細胞を増殖させた。 2)一過性の免疫不全マウスを作成するため、Balb/cマウスに致死量(9Gy)の放射線を照射し、4時間後にC57BL/6骨髄細胞(10x10^6)を尾静脈より移植した。C57BL/6マウスの細胞をMHC特異的抗原にてFACSを用いて解析した結果、移植後5日目より2週間目まで各リンパ系臓器において90%以上の安定したfull chimerismが認められ、一過性の免疫不全状態が確立されていたことが示された。 3)麻酔下にブタより胸椎と腰椎を取り出し、細かく切断後培養液内にて45分間撹拌後、フィルターを数回通してブタ骨髄浮遊液を作成した。 4)移植されたブタの細胞をFACSにて検出するため必要な抗体系を確立した。ブタのMHC class Iに対する抗体にてブタ骨髄細胞を標識し、さらにFITC抗マウスIgG抗体を2次抗体として、FACSにてブタ骨髄細胞が検出可能かについて検討した。次に、ブタ骨髄細胞をマウスの脾細胞と種々の比率で混合し、上記の抗体系にて解析した結果、0.5%程度までの検出感度が示された。上記の抗体系にてブタ骨髄間葉系幹細胞も良好に標識され、FACSにて検出可能であった。 5)Balb/cマウスに致死量の放射線を照射し、4時間後に1x10^5または1x10^6の骨髄間葉系幹細胞を尾静脈より投与し、1分後の各リンパ系臓器におけるブタ細胞の分布を検討したところ、脾臓においてブタ細胞が0.2%程度認められた。 次年度は、間葉系幹細胞を直接骨髄内に投与して定着率を上昇させ、NOD/SCIDマウスに応用させる予定である。
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