2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた癌の新しい迅速診断法の開発と微小転移の意義の検討
Project/Area Number |
17659386
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (70190402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
河口 直正 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70224748)
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Keywords | リンパ節転移 / 遺伝子診断 / 乳癌 / RT-LAMP法 / 大腸癌 |
Research Abstract |
本研究は短時間で効率良く遺伝子増幅が行えるRT-LAMP (reverse transcription-loop-mediated isothermal amlification)法を導入して、迅速で高感度な分子生物学的診断システムを開発していくものである。今年度は乳癌リンパ節について行ってきた基礎研究をもとに、実際の症例での詳細な検討および大腸癌での基礎的な検討を行った。乳癌患者36例から摘出された106個の腋窩リンパ節を対象に、OSNA法によるリンパ節中のCK19mRNA発現量を定量的に測定し、免疫組織学的方法を併用した病理組織診断と比較し、その診断の可能性を検討した。基礎的検討から予め設定したカットオフ値でCK19mRNA発現量を陽性・陰性に分けた結果は2mm間隔で観察した病理組織学的診断と98.1%の一致率が得られた。感度100%、特異度97.6%であり、不一致例はすべて微小な転移症例であった。また、CK19mRNA発現量は転移癌細胞数と良好な相関関係を示し、定量的な評価も可能であると考えられた。大腸癌について、転移陽性の所属リンパ節および陰性リンパ節について検討を行い、感度・特異度の点から用いるマーカーの検討を行った。サイトケラチン(CK)18,19が感度、特異度の点から。CK18、 CEA、その他よりも優れていたので乳癌同様、CK19を用いて検討を行った大腸癌患者20例、56個の所属リンパ節について、乳癌同様にCK19mRNA発現量と2mm間隔で観察した病理組織学的診断とを比較検討した結果、感度100%、特異度98.8%と良好な結果を得た。すべての測定は30分以内に実施可能であった。以上の検討から、乳癌、大腸癌において本法は術中の迅速診断に応用可能と考えられた。
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Research Products
(14 results)