2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659391
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
片野 光男 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (10145203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅史 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30372741)
小島 雅之 九州大学, 大学病院, 助手 (90380394)
馬場 英司 九州大学, 大学病院, 助手 (00315475)
|
Keywords | エキソゾーム / 分子移植 / 伝達物質 / 遺伝子治療 / 機能分子 |
Research Abstract |
Exosomeの細胞間移動と機能解析 HER2陰性乳癌細胞分泌exosomeをわれわれの開発したHER2抗体結合ビーズで精製し、精製exosomeをPKH26で蛍光標識し、他の乳癌細胞と混合培養する系において、exosomeが速やかに細胞表面に移動・結合することを共焦点レーザー顕微鏡において確認した(Anticancer Research 25:3703-3707,2005)。 現在、この乳癌細胞表面へ移動したexosomeの細胞融合をFACSにて解析中だが、移動したexosomeと癌細胞膜との明らかな融合像を得ることには成功していない。 しかし、exosomeは量依存性に乳癌細胞の増殖を促進させ、逆にHerceptinの効果を減弱させることが明らかとなり、乳癌細胞表面へ移動したexosomeが機能分子として作用している間接的なデータを得ることができた。 人末梢血単球由来樹状細胞も多量のexosomeを分泌し、これらexosome上には、MHC分子やCD80、CD86といった抗原提示分子が豊富に存在しており、この内、MHCclass II分子が、CD4+T細胞のTCRに結合し、NF-kB活性化を誘導することにより細胞寿命を延長させることを明らかにし、exosome上のMHC class I分子が機能分子として働いている可能性を見出した(Cellular Immunology 23:20-29,2004)。その後、class I分子が同様に、CD8+T細胞に機能分子として作用すること、exosomeがNK細胞活性を増強すること(作用機序は、現在解析中)などを見出した。 Exosomeによる機能分子移植 本研究の第一目標である、exosomeが他の細胞の膜へ移動・融合し新たな機能分子として働く系(機能分子移植)を確立するために、HER2陽性乳癌分泌exosomeや樹状細胞にHER2遺伝子を導入し、HER2発現樹状細胞exosomeをHER2陰性細胞と混合培養し、生物活性(細胞増殖)やシグナル伝達(HER2抗体結合シグナルの誘導による細胞内Ca増加)などにより検討中だが、現時点では、exosomeが機能分子として細胞に移植されたことを支持する直接的なデータは得られていない。
|
Research Products
(1 results)