2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659393
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
千葉 哲博 横浜市立大学, 大学院医学研究科, 客員研究員 (00381583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 英樹 横浜市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70292555)
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Keywords | 癌幹細胞 / 肝臓癌 / 幹細胞生物学 / 階層性 / FACS / NOD / SCIDマウス |
Research Abstract |
自己複製能及び多分化能を併せ持った極めて少数の幹細胞の存在が、固形腫瘍においても報告され、「癌幹細胞システム」という概念が注目されている。そこで、幹細胞純化法の一つであるSP(Side population)細胞分離を肝癌細胞に応用し、癌幹細胞の分離と特性解析を試みた。4種類の肝癌培養細胞HepG2,Huh6,Huh7,PLC/PRF/5をHoechst33342にて染色し、UVレーザーを装備したFACS(Fluorescence activated cell sorter^<【○!R】>)にて解析したところ、HepG2,Huh6ではSP細胞画分は検出されなかったのに対し、Huh7,PLC/PRF/5ではそれぞれ全細胞中の0.2%、0.9%においてみとめられた。MTS assay, TUNEL assayの結果では、両細胞株において、SP細胞はNon-SP細胞に比して高い増殖活性とアポトーシス抵抗性を示した。また、AFP/CK19の二重免疫染色の結果、SP細胞ではNon-SP細胞に比してAFP/CK19共陽性の細胞の含有率が高く、より未分化な細胞集団である可能性が考えられた。分離されたSP細胞の皮下移植では1x10^3個にて腫瘍形成が確認されたのに対して、Non-SP細胞では1x10^6個の細胞移植によっても腫瘍は形成されなかった。また、SP細胞から形成された腫瘍の再解析では、SP細胞とNon-SP細胞双方の細胞画分が存在し、SP細胞の二次移植によって再び腫瘍が形成された。Huh7,PLC/PRF/5において、腫瘍形成能を有する極少数の細胞がSP細胞画分に限定的に存在していた。また、このSP細胞からはSP細胞とNon-SP細胞が共に分化し、連続移植においてもSP細胞の腫瘍形成能が維持されたことから、SP細胞が癌幹細胞として機能し、ヘテロな細胞集団が形成されることが推測された。
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