2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノキャリアー分子コンジュゲートを用いた癌の免疫サイトカイン療法
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17659394
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 修 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (00271164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 祐二 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (60254356)
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 博士研究員 (00370205)
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
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Keywords | ナノ材料 / ナノバイオ / 癌 / 免疫学 / サイトカイン |
Research Abstract |
コレステロール・プルラン(CHP)ナノゲルを用いることにより、サイトカインを必要な量、必要なカイネティクスで、かつ生理活性を保ったフォーミュレーションでin vivo送達する技術を開発し、さらに悪性腫瘍に対する全く新しい免疫療法を確立することを目的とする。本年度はまず、最もIL-12が効率よく封入されるIL-12とCHPの濃度とモル比、インキュベーションの条件を確立した。この条件で作成したコンジュゲート中のIL-12はELISAで計測できないが、シクロデキストリン処理により計測可能となることから、IL-12がインタクトな高次構造を維持して抱埋されていることが分かった。このコンジュゲートを無血清の条件でインキュベートすると、IL-12は徐放されるが、血清が存在すれば比較的早く放出された。放出されたIL-12はCD4+T細胞に作用してIFN-gを産生させることから、CHPには予想どおり生理活性を保持した形状でIL-12をリリースさせる分子シャペロン効果があることが示された。IL-12/CHP複合体を担癌マウス皮下に接種すると、12時間以上に亘ってIL-12が血清中から検出されたが、リコンビナントIL-12では検出されなかったことから、CHPナノ粒子はin vivoにおいてもサイトカインの徐放を可能にすることが分かった。さらに腫瘍の増殖は、IL-12/CHPを投与したマウスでは顕著に抑制されていたのに対して、IL-12単体で治療した群では非治療群と有意差が認められなかった。したがって、CHPナノゲルによるIL-12の生体内安定化、生体内徐放、分子シャペロン効果が、有効な抗腫瘍免疫応答を惹起し、腫瘍の抑制を可能にしたと考えられた。
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Research Products
(15 results)