2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブセンサーによる肝特異的酸化リポ蛋白の測定
Project/Area Number |
17659397
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 仁志 北海道大学, 医学部, 教授 (70197622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 博之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (70292026)
石井 睦 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助教授 (20232225)
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Keywords | 酸化リポ蛋白 / 肝不全 |
Research Abstract |
肝不全患者血清を採取し、超遠心法にて総リポ蛋白分画を採取後、さらにゲルろ過法にてLDL分画を精製した。そのリポ蛋白が肝不全に特異的に出現するトリグリセリドリッチ酸化リポ蛋白であることを次の方法で確認した。まず、1)本リポ蛋自分画の脂質組成を酵素法により決定しトリグリセリドリッチであることを確認し、2)本リポ蛋白分画が酸化LDL抗体(抗マロンジアルデヒド結合LDL抗体)と交叉反応することを確認し、次いで、3)我々が開発した化学発光高速液体クロマトグラフィー法によるトリグリセリドヒドロペルオキシド測定法にて同リポ蛋白分画が高濃度のトリグリセリドヒドロペルオキシドを含有することを確認した。さらに、4)同リポ蛋白分画がヒト単球由来マクロファージに活発に貧食され、金属酸化LDLとほぼ同等のマクロファージ泡沫化能を有することを確認した。このようにして肝特異的酸化リポ蛋白であることが確認されたリポ蛋白分画を用いて、常法に従ってマウスに免疫してハイブリドーマを作製した。現在は、同リポ蛋白分画と反応する抗体を産生するクローンであり、かつ、他のリポ蛋白種(金属酸化LDLを含む)とは反応しない条件を満たすものをスクリーニングしている。これまでのところ、トリグリセリドリッチ酸化LDLと弱く反応するクローンは得られたものの、他のリポ蛋白種とも交叉反応する性質がみられ、さらに特異性の高いクローンを得ることを目指して免疫を続けている。
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