2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659402
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳衛 宏宣 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (30212278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江里口 正純 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (10114406)
久 智行 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任講師) (80281278)
山瀬 利博 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (80016576)
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Keywords | ポリ酸 / PM-8 / アポトーシス / 抗腫瘍効果 / 中性子捕捉療法 / 熱中性子 / ^<10>B_<32> |
Research Abstract |
ポリ酸は金属と酸素原子との結合からなるナノからミクロサイズの陰イオンであり、結合する金属の種類、数によりその抗腫瘍効果や水溶液中の安定性が変化してくる。我々は、モリブデン原子数が正確に7、16、個数含まれるポリ酸を合成し、得たポリ酸を用いて、抗腫瘍効果を検討した。7個のモリブデン原子からなるポリ酸(PM-8)をヒト膵臓癌細胞AsPC-1に投与し、ヘキスト染色、DNA ladder形成、TUNEL染色によりアポトーシスを検出できた。さらに、ヒト胃癌細胞MKN-45を用いて作成した担癌マウスモデルにおいて、1週間のPM-8の腫瘍内により腫瘍増殖抑制効果を確認した。現在、アポトーシスのシグナル伝達機序を解析中である。 中性子捕捉療法への展開を考えて、ボロン原子32個からなるポリ酸(H_<15>[V_<12>^<10>B_<32>O_<84>Na_4]・13H_2O;^<10>B_<32>)を合成した。すなわち、^<10>Bで構成されたホウ酸ナトリウム(H_3BO_3)とバナジウム([NH_3Bu]_4[V^4O_<12>])をpH7.0〜8.0の条件化でMeOHを還元剤として加え500Wの高圧水銀灯を用いて光を当てることにより、Keggin構造を持つ^<10>B_<32>を沈澱させ、集積物にNaClを加え塩を形成させ合成した。この^<10>B_<32>を膵臓癌細胞AsPC-1と反応させ熱中性子(2x10^<12>n/cm^2)を照射することにより細胞障害効果を認め、中性子捕捉剤としての機能を持つことがわかった。
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Research Products
(3 results)