2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659412
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二宮 善文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70126241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 俊孝 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (50194262)
猶本 良夫 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教授 (00237190)
内藤 一郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (60362993)
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Keywords | 基底膜 / 良性腫瘍 / 平滑筋細胞 / び慢性平滑筋腫 / アルポート症候群 / IV型コラーゲン / 基底膜 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
Alport-leiomyomatosis(AS-DL)症候群はAlport症候群にみられる諸病変(糸球体基底膜異常による腎機能障害、感音声難聴、円錐水晶体などの眼球異常)と主に食道に発生する平滑筋病変を合併するX染色体性優性遺伝の疾患であり、その原因として、我々の報告を含めてCOL4A5,COL4A6上流の部分欠損との関連が論じられてきた。しかし症例数が少ないため、びまん性食道平滑筋腫(DL)の発症メカニズムの解明には至っていない。今回、AS-DL症候群の女性患者が岡山大学病院にて食道平滑筋腫切除術を受けた。岡山大学医学部倫理委員会審査と本人承諾のもと、患者および長男より末梢血DNAの提供を得、COL4A5,COL4A6変異および免疫組織学的解析を行った。 DNAの解析の結果、患者および長男のCOL4A5イントロン1からCOL4A6イントロン2にまたがる194-kbの欠失を認めた。患者の平滑筋腫切除切片では平滑筋細胞の増殖を認めるが、悪性を示す所見は無い。免疫組織化学染色で平滑筋細胞周囲にIV型コラーゲンα1,2鎖は発現が認められるのに対し、α5,6鎖は発現が非常に低下していた。本疾患のDLはIV型コラーゲンα5,α6鎖でできる分子のloss of functionでは説明がつかない。平滑筋腫は限られた平滑筋組織にのみ生じることから、DLについてはCOL4A5,COL4A6が発現できる平滑筋細胞において、両遺伝子上流が欠失することにより、二次的に近傍遺伝子の発現に影響を与える可能性を考えられる。
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Research Products
(6 results)