2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659412
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二宮 善文 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70126241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 俊孝 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (50194262)
猶本 良夫 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (00237190)
内藤 一郎 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60362993)
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Keywords | 基底膜 / 良性腫瘍 / 平滑筋細胞 / び慢性平滑筋症 / アルポート症候群 / IV型コラーゲン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
Alport-leiomyomataosis(AS-DL)症候群はAlport症候群にみられる諸病変と主に食道に発生する平滑筋病変を合併するX染色体性優性遺伝の疾患であり、その原因として、我々の報告を含めてCOL4A5,COL4A6上流の部分欠損との関連が論じられてきた。岡山大学医学部倫理委員会審査とAS-DL症候群の女性患者本人承諾のもと、患者および長男より末梢血DNAの提供を得、COL4A5,COL4A6遺伝子部分の変異および免疫組織学的解析を行った。昨年度194kbの欠失範囲を大まかに同定した。 本年度は 1.新しい症例での194kb deletionからbreak pointを同定した。Break point sequenceからnon-homologous recombinationであると判明したが、反復配列の一種であるLINE elementの関与が示唆された。 2.消化管基底膜でのCOL4A5,COL4A6発現:悪性腫瘍手術時に摘出される組織の正常部を用い食道、胃、小腸、大腸皮膚基底膜の免疫染色を行った。AS-DLの平滑筋肉腫の多発する食道、胃の平滑筋周囲基底膜には発現しているが、ほかでは陰性と判断した。COL4A5,COL4A6の発現と何らかの有意な関係が推測される。 3.発現メカニズムについて:本疾患はCOL4A5&6の発現している平滑筋において、その上流部が欠失すると、優性遺伝的に良性平滑筋腫瘍が発生。増殖する。また、多くのアルポート症候群にあるCOL4A5の変異により、α5鎖ペプチドの欠失とα5/a5/a6分子が欠失するにもかかわらず、平滑筋腫瘍は発生しない。これらから、本疾患はコラーゲン分子のLoss of Functionでなく何らかの遺伝子のGain of Function によると考える。本疾患を含めたCOL4A5&6共通欠失部分にインスレータ一結合部位を想定した。インスレーターであるCTCFの結合が推定される配列をその部分に認めた。
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Research Products
(5 results)