2005 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌肝転移に関わる遺伝子のsiRNA法による機能解析
Project/Area Number |
17659417
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤原 典子 順天堂大学, 医学部, 助手 (60265981)
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Keywords | 膵癌 / NGFRp75 / pl45TrkB / Neurotrophic receptor |
Research Abstract |
Neurotrophic receptorであるNGFRp75とp145TrkBの膵組織における発現性を免疫染色(LSAB法)をもちいて確認した。膵腫瘍として膵管内乳頭腺腫、膵管内乳頭腺癌、膵管上皮過形成、また慢性膵炎組織や正常膵のパラフィン切片では膵内神経をのぞいて、膵管上皮や腫瘍細胞で発現性はみられなかった。一方、浸潤性膵管癌組織では腫瘍の中心の腫瘍細胞では発現がみられなかったが、腫瘍の先進部で間質に浸潤している腫瘍細胞の細胞膜で発現が確認された。また、30症例の浸潤性膵管癌症例のふたつのNeurotrophic receptorの発現性と肝転移性などの予後との相関を検討したが、発現性の高い症例で予後不良である傾向がみられたが、統計学的に有意差は確認されなかった。 膵癌細胞株COLO357FGとその肝高転移性バリアントCOLO357L3.6plについては、NGFRp75を染色したところ、COLO357FGで発現性がないのに対し、肝高転移性であるCOLO357L3.6plで細胞膜に強く発現していることが確認された。 また、両細胞株のin vitroでの運動、浸潤能をボイデチャンバー法により確認した。両細胞間でチャンバー下層への運動能に差はみられなかった。さらにCOLO357L3.6plではNeurotrophic receptorが高発現していることから走化性物質chemoataractantとしてチャンバー下層にNGFを添加した場合のchemotaxis assayを施行したが、COLO357L3.6plの運動能に変化はみられなかった。
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