2005 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金を用いた内視鏡手術用一時留置式リトラクターとデリバリーデバイスの開発
Project/Area Number |
17659433
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 俊榮 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50277133)
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Keywords | 胸腔鏡手術 / リトラクター / 縦隔リンパ節郭清 / 接触圧 |
Research Abstract |
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術における縦隔リンパ節郭清時に視野を展開する胸腔内一時留置式リトラクターの開発するため、実際のリンパ節郭清時に十分視野の展開が得られている状態でどのくらいの接触圧で組織を圧排しているかを測定した。 右肺悪性腫瘍手術時に接触圧測定器A0101(AMI techno社製)を用い、接触圧センサーをスパーテルの先端に固定し上縦隔リンパ節郭清時には上大静脈を、気管分岐部下リンパ節郭清時には右主気管支を視野が得られるまでスパーテルで圧排し、その接触圧を30秒以上記録し、圧が安定した10秒間の平均圧を接触圧とした。 その結果、上大静脈の接触圧は3.1〜10.5Kpa、気管分岐部の接触圧は1.5〜8.5Kpaであった。 この結果よりまずステンレス製でトーションスプリングの応力を3、5、10Kpaの3種類に設定して腕長約10cmで角度が30°、45°で先端に容易に変形可能な比較的柔軟な接触面をつけ試作を行った。 現在、試作品の形状および応力で視野展開が可能かを、開胸手術下に検討を行っており、現状では視野展開は得られるものの、リトラクターの安定性が悪くはずれることがおおいこと、開胸創から用手的にリトラクターをかけることは容易であるが、胸腔鏡下手術時のアクセスポートから既存の手術機械を用いての挿入が困難であることが問題点である。 今後はリトラクターの形状を安定が良いものに改良し、さらに素材を形状記憶合金製として形状自体も胸腔内温度で安定するもとしてゆく。 また、形状が決定後は胸腔鏡下手術でアクセスポートより挿入が容易に可能になるデリバリーデバイスを作成する予定である。
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