2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659435
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
前田 寿美子 宮城県立がんセンター(研究所), 生化学部, 特任研究員 (30344675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 勉 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90215674)
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Keywords | 移植・再生医療 / 免疫学 / 肺胞マクロファージ / 宿主免疫機能 |
Research Abstract |
平成18年度は、野生型C57BL/6-CD45.2マウスをレシピエントとし、白血球抗原の異なるマウスC57BL/6-CD45.1をドナーとして、その肺胞洗浄液を経気道的に移植した。 1.方法 PBSによる肺胞洗浄を行い、C57BL/6-CD45.1マウスから肺胞マクロファージを回収した。これをHBSS0.5mLに懸濁し、5.34x10E6個/mLの肺胞マクロファージ懸濁液に調整した。8週から10週齢のオス野生型マウスにケタミン/アセプロマジンを皮下注射して麻酔し、気管からの直接穿刺によって左肺に24Gのカニューレを挿入した。レシピエント1匹に対し、50μLのマクロファージ懸濁液をカニューレから左肺へ注入して、0.267x10E6個の肺胞マクロファージを移植した。コントロールとして、HBSS50μLを同様に左肺に注入した。移植後、1週および9週が経過した時点で犠牲死させ、血液と肺胞洗浄液(BALF)を回収した。血液,BALF中の細胞数および細胞分画を調べた。CD45.1とCD45.2を指標としたフローサイトメトリーにより,BALF中のドナーレシピエント比を検討した。 2.結果 移植後1週が経過した時点では、BALF中の総細胞数は0.72-1.1x10E6個であり、99%以上が肺胞マクロファージであった。フローサイトメトリーによる解析では、移植されたマウスのBALF中、1.76-2.22%がCD45.2陽性細胞であり、1.3-2.5x10E4個のドナー由来の肺胞マクロファージが存在した。これは移植した肺胞マクロファージの4.8-9.3%に相当した。移植後9週が経過した時点で同様の検討を行ったところ、BALF中の総細胞数は0.56-1.71x10E6個であり、95-98%が肺胞マクロファージであった。0.44-0.73%がドナー由来細胞であり、実数では3.0-4.1x10E3個のドナー由来の肺胞マクロファージが存在した。移植したマクロファージの1.1-1.5%が残存した。 3.結論 経気道的に移植された肺胞マクロファージは、移植後1週および9週の時点でレシピエントのBALF中に認められたが、その実数および移植された細胞数に対する割合は時間経過とともに減少した。
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