2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己骨髄細胞を利用したもやもや病に対する血管新生療法の開発
Project/Area Number |
17659437
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩崎 喜信 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (00113522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 敏 北海道大学病院, 講師 (10301904)
中山 若樹 北海道大学病院, 助手 (40421961)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / もやもや病 / 移植 / 再生医療 / 分化 / 遊走 |
Research Abstract |
マウス脳梗塞モデル、および、ラット脊髄損傷モデルに骨髄間質細胞(bone marrow stromal cell; BMSC)を定位的に移植すると、BMSCが病変周囲に遊走して神経細胞特有の表現型を獲得するのみならず、神経細胞にのみ存在する受容体の機能を獲得して、脳梗塞や脊髄損傷周囲における受容体機能を改善させることを明らかとした。これらの結果は、それぞれJ Nucl Med誌(2006)、J Neurotrauma誌(2006)に掲載された。 BMSCが神経細胞に分化する際の分子生物学的背景を明らかにする目的で、培養BMSCのマイクロアレイ解析を実施した。その結果、BMSCは神経細胞への分化誘導によって、その遺伝子表現型を変化させることが判明した。この結果はBrain Res誌(2006)に掲載された。 BMSCが病変周囲に遊走するためには病変周囲で産生されるSDF-1、および、BMSCの膜表面に存在するSDF-1に特異的受容体であるCXCR4が必須の役割を果たしていることを、CXCR4ノックアウトマウスを用いた実験を実施することで明らかとした。現在、J Cereb Blood Flow Metab誌に投稿中である。 BMSCと神経細胞の共培養実験系を確立した。この実験系を活用することにより、BMSCの一部が神経細胞そのものへ分化すること、一部は神経細胞と細胞融合することを初めて証明した。また、BMSCはBDNFやNGFの産生を増加させることで、glutamateに暴露された神経細胞を保護することも明らかとした。現在、Brain Res誌に投稿中である。 びまん性脳損傷をシミュレートするラット脳損傷モデルを確立した。このモデルでは、脳MRIや免疫染色上、脳梁や側脳室に微小出血をきたし神経細胞の軸策が特異的に傷害される。水迷路試験を行なうと短期記憶障害が発生していることが判明した。現在、BMSCを定位的に移植してその治療効果を検討中である。ラット脊髄損傷モデルにおける軸索の損傷をMRIや免疫染色で正確にトレースする技術を確立した。現在、現在、BMSCを定位的に移植してその治療効果を検討中である。
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Research Products
(7 results)