2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対するTargeting thermo-chemotherapy
Project/Area Number |
17659440
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英明 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70236305)
宇塚 岳夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20397110)
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Keywords | 悪性神経膠腫 / 温熱療法 / 熱感受性リポソーム / アドリアマイシン / 抗癌剤 / シミュレーション / 加温 / 動物実験 |
Research Abstract |
本研究のテーマである熱感受性リポソームの改良と実際の投与においての至適条件等を検討するために、リン脂質の相転位温度を40℃に設定し、内部に封入された抗癌剤(アドリアマイシン)がすみやかに放出されるようリン脂質膜の構成を変更した。他の抗癌剤についても同様に検討を行う予定であったが、今年度実際に悪性神経膠腫患者に対して温熱治療中にアドリアマイシンの動注を行ってみると、その抗腫瘍効果がある程度有効であったことから、他の薬剤に関してはリポソーム化するまでもないとの結論に達した。残念ながら、リポソーム精製においてより小さく、均一化し精度を高めるという試みは成果が出せずに終わった。 本年度の設備備品として色彩計を購入し、当初フローサイトメトリーを使ってリポソームの径の測定や、治療を行ったラット脳内の抗癌剤濃度を測定することとした。現時点では、色彩計によりアドリアマイシン封入リポソームの腫瘍内に取り込まれたアドリアマイシンのもつオレンジ色の濃度を計測することが出来るようになった。それによって加温中心から腫瘍辺縁にかけてのアドリアマイシン分布の把握が可能となった。 一方、脳腫瘍の加温の臨床では、腫瘍のみをより正確に加温することが必要であり、不整な形をした腫瘍を効率よく加温するためにもコンピュータシミュレーションを用いて三次元に解析を行い、厳密な加温計画を行うべく治療計画法を検討した。実際には脳の三次元モデルからRF誘電加温の様々なシミュレーションがソフトウェアの改良によって可能となり、あとは精度実験を残すのみとなった。 リポソームの動物実験による安全性、至適条件、投与法などの検討で必要なRF加温機を本年度作成し、ラットにおける実験を開始した。現時点まで重篤な副作用は認められていないが、今後更に大動物での検討も必要であろう。
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Research Products
(5 results)