2005 Fiscal Year Annual Research Report
一塩基多型を用いた10番染色体の解析-新規がん抑制遺伝子同定への試み-
Project/Area Number |
17659450
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 昌弘 九州大学, 大学病院, 助手 (50380621)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄野 禎久 九州大学, 大学病院, 助手 (00346793)
佐々木 富男 九州大学, 医学研究院, 教授 (10134561)
林 健志 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00019671)
|
Keywords | グリオーマ / SNPs / LOH / 10番染色体 / がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
56例のグリオーマサンプルを用い、PLACE-SSCP(post-labeled with fluorescent dyes、and analyzed with an automated capillary electrophoresis sysyem under SSCP conditions)法を用いたSNPsマーカーの解析を基に10番染色体のLOH評価を行なった。最初にデータベースを基に選択した10番染色体上の384のSNPsマーカーより、最適な98マーカーを選び10番染色体を網羅できるパネルを作成した。本法の精度を検証するため正常細胞と腫瘍細胞の比率を変え解析を行なった。本法は約80%の正常細胞混在下でもLOHを判定できる感度を有し、正常細胞の混在やheterogenityが問題となる臨床サンプルの解析方法として非常に有用である。 今回解析した症例はglioblastoma (GB) 35例、anaplastic astrocytoma (AA) 8例、diffuse astrocytoma (DA) 8例、grade1のglioma5例である。GBの68%において10番染色体全体の欠失を認めたのに対し、AAでは1例を除きこのようなパターンは認められなかった。AAの全例とDAの63%において10pの欠失を認めた。これらの解析から10p13-15、10q23、10q25-26の3つのhot spotを同定した。このうち10p13-15領域はlow gradeの段階で既に欠失しており、グリオーマにおける腫瘍化に関与している可能性がある。今回、さらに10pの解析を進め、共通欠失部位を10p13領域まで絞り込むことができた。この領域のがん抑制遺伝子は未だ同定されておらず、現在、さらに症例を増やし、この領域の候補遺伝子の発現、遺伝子変異の検討を進めている。
|
Research Products
(1 results)