2005 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血からの中枢神経疾患治療用細胞の分離技術の開発
Project/Area Number |
17659456
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部) |
Principal Investigator |
金村 米博 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部), 政策医療基盤技術開発研究室, 室員 (80344175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 麻美 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部), 先進医療部, 室長, 部長 (10359309)
有田 憲生 兵庫医科大学, 脳神経外科学, 教授 (80159508)
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Keywords | 神経幹細胞 / モノクローナル抗体 / 細胞表面分子 / 末梢血 |
Research Abstract |
神経幹細胞の細胞表面に選択的に発現することが予測され、神経幹細胞選択的マーカーのnestinタンパク質を高発現する細胞を血球系細胞から分離する操作に使用可能である、研究実施者らが新規に開発したモノクローナル抗体HFB25の抗原分子(HFB25抗原)同定を試みた。 1.解析方法 樹立済みヒト神経幹細胞/前駆細胞(以下;hNSPC)から全タンパク質を分離し、細胞膜分画を分離した。サンプル(40μg)をSDS-PAGE(5%ゲル)で分離し、HFB25抗体を用いてウエスタンブロッテイング(ECL plus;ファルマシア社)を実施した。hNSCPよりtotal RNAを抽出後(RNeasy kit;QIAGEN社)、Oligotex^<TM>-dT30 Super mRNA purification kit(TaKaRaバイオ社)により、poly(A)^+ RNAを精製した。ZAP Express cDNA Synthesis Kit(STRATAGENE社)を使用し、5μgのpoly(A)^+ RNAよりcDNA発現ライブラリーを作製、HFB25抗体を用いてイムノスクリーニングを行った。3次スクリーニングまで実施した後、陽性クローンのcDNA配列をシークエンスした。 2.解析結果 ウエスタンブロットの結果、HFB25抗体が認識するタンパク質は分子量約250kDaであり、細胞膜分画に多く含まれるタンパク質であることが判明した。発現ライブラリーのイムノスクリーニングを3次まで進めた結果、1.6kbと2.3kbのインサートを持つ2つの陽性クローンを得た。それらのDNA配列を決定したところ、それぞれ異なる既知遺伝子の一部配列であった。 3.考察・今後の方針 イムノスクリーニングにより同定した2遺伝子全長より発現されるタンパク質の推定分子量は、それぞれ33.5kDaと90.5kDaであり、ウエスタンブロットで把握した分子量と完全に一致せず、現段階では抗原分子の最終同定には至っていない。今後、同定された2クローンの強制発現系、発現抑制系を用いて細胞レベルでのHFB25抗原の発現様式の変化を検討し、HFB25抗原の最終同定を試みたい。さらにHFB25抗体を用いて末梢血から神経幹細胞への分化能を有する細胞を分離する技術の開発を行う。
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