2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞シート工学の骨・軟骨再生医療への応用のための基礎的研究
Project/Area Number |
17659461
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星地 亜都司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70236066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 雄一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30345053)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
岡野 光夫 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 所長兼教授 (00130237)
大和 雅之 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 助教授 (40267117)
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Keywords | 温度感受性培養皿 / 骨髄間葉系細胞 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / コラーゲンフィルム / 蛋白分解酵素処理 / 細胞外基質 / 細胞シート |
Research Abstract |
研究分担者の岡野らが開発した細胞間接着と基質を保ったままシート状に細胞を剥離できる温度感受性培養皿は上皮系組織の再生で既に臨床応用されているが間葉系組織に関しては検討されていない。今回は温度感受性培養皿上での骨髄間葉系細胞、骨芽細胞、軟骨細胞の培養条件を検討した。マウス胎児肋軟骨より採取した軟骨細胞を温度感受性培養皿上に高密度に播種し、分化誘導を加えずに3日間の培養の後、シート状に軟骨細胞を一塊として剥離することができた。トルイジンブルーやアルシアンブルー染色で軟骨基質の蓄積が確認され、2型コラーゲンの発現を免疫染色やRT-PCRで確認した。マウス新生児頭蓋冠より採取した骨芽細胞とマウス骨髄間葉系細胞を同様に温度感受性培養皿に高密度に播種し、骨・軟骨分化誘導をかけて2-3週間培養した。分化が誘導され細胞外基質は十分に産生されたが一塊として剥離することは困難であった。この問題点として上皮系の細胞と異なり、骨髄間葉系細胞・骨芽細胞は細胞間接着が弱く、しかも培養皿への接着が強固であることが考えられた。 解決のためにコラーゲンフィルムをコートした培養皿上に骨芽細胞や骨髄間葉系細胞を播種し、それぞれ培養したところシートとして回収することができた。トルイジンブルーやアルシアンブルー染色で軟骨基質を、von Kossa染色で骨基質の蓄積を確認し、さらに骨・軟骨特異的遺伝子の発現をRT-PCRで確認した。 これらの結果より、軟骨細胞は温度感受性培養皿で、骨芽細胞と骨髄間葉系細胞はコラーゲンフィルムコート培養皿で培養することにより、蛋白分解酵素処理をすることなく細胞シートとして回収することができた。 骨・軟骨欠損動物モデルの作成に関しては、マウス頭蓋骨臨界骨欠損モデル(円形孔)を作成し、自然治癒が4週間で起きないことを放射線学的・組織学的に確認した。また、マウス膝関節軟骨全層欠損を作成し、永久軟骨組織修復が起きないことを確認した。
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Research Products
(1 results)