2006 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球・血小板に由来する骨形成促進因子の単離・同定に基づく新しい研究領域の開拓
Project/Area Number |
17659478
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80245802)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 立雄 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (90014034)
福田 亨 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20301492)
|
Keywords | 生理活性 / 血小板 / 骨形成 / 骨芽細胞 / 蛋白質 / 生体分子 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
従来より、骨折部位周囲に追いける出血が骨修復を促進することが知られていた。このメカニズムを明らかにするために、血小板に含まれる生理活性物質の骨芽細胞分化促進作用を検討した。その結果、活性化された血小板単独では骨芽細胞分化を促進しないものの、低用量のBMP活性を促進する活性因子が含まれていることが明らかとなった。これは、口腔外科領域でPRP(platelet-rich plasma)が骨再生の必要な部位に用いることと合致した。 従って、血小板には骨形成促進物質が含まれており、これが出血などによって血小板が活性化された際に放出され、局所的な骨形成を促進するものと考えられた。 本研究で明らかとなった血小板由来骨形成促進因子の作用メカニズムは明らかではない。すでに我々は、ヘパリンのような硫酸化多糖が培養細胞レベルでBMP活性を促進することを報告した。そこで、この作用メカニズムを検討したところ、1)ヘパリンはBMPの分解やアンタゴニストによる活性阻害を抑制し生物学的半減期を延長すること、2)さらにこの促進作用の発現には、24時間程度の時間を要することが判明した。3)また、マウスの異所性骨誘導モデルでヘパリンの効果を検討すると、ヘパリンの濃度依存的に骨髄を伴った大きな骨組織が形成され、ヘパリンがin vivoでも骨形成を促進することが確認された。 以上の結果より、血小板には硫酸化多糖のようなBMP活性促進因子が含まれており、これが放出されることにより骨形成を促進する可能性が示された。
|
Research Products
(9 results)