2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659479
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山口 徹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50338092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 光一 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40229422)
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Keywords | 骨免疫学 / 骨硬化症 / 骨リモデリング / 転写因子AP-1 / マイクロCT / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
転写因子AP-1に属するFra1はトランスジェニック(Tg)マウスが著明な骨量増加を示すことから、Fra1は重要な骨形成促進因子として知られている。この骨硬化症の発症時期を解明するため、麻酔下で実験小動物を撮影可能なX線CT装置LaTheta(Aloka)を利用し、経時的に脛骨骨密度を測定した。 生後3日齢から9週齢までのFra1 Tgマウス(n=15)ならびに野生型マウス(n=15)の脛骨を麻酔下で週2回、3週間にわたり測定した。骨密度による成長曲線を作成したところ、雌雄の差なく生後4週よりFra1 Tgマウスの骨密度増加は著明となった。 次にLaThetaの測定結果を検証すべく、他機種のマイクロCTにより摘出骨による骨密度評価をおこなったところ、Fra1 Tgマウスの皮質骨は厚くなっているものの、皮質骨密度の増加は見られず、皮質骨内に管腔構造が多数見られた。これら管腔は血管孔と思われ、その本数や、方向性を解析したところ、野生型の脛骨骨幹部では骨髄から骨外膜へ貫通する方向のものが多く、一方Fra1 Tgマウスの皮質骨内血管は骨軸と平行に走っていた。野生型でも骨幹端部では血管が骨軸と平行に走っている傾向があることから、Fra1 Tgマウスの皮質骨は骨幹部も骨幹端に似た構造を持っていることが明らかとなった。 この血管走行の差異は、骨硬化症による骨量増加により誘導された2次的な変化か、または成長にともなう血管自体の異常かは現段階では明らかでない。 そこで平成18年度に骨以外での組織中の血管構造の解析をおこなう予定である。 また、皮質骨内血管の走行異常が骨髄の持つ造血能にいかに影響するかを骨髄細胞の解析をすすめる予定である。
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