2005 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス前作用とシナプス後細胞内C1-濃度に着目した全身麻酔薬作用機序の新仮説
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17659485
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 寿彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80377746)
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Keywords | ニコチン / アセチルコリン / ミダゾラム / ベンゾジアゼピン / GABA / α7受容体 / シナプス前終末 / 膜移行 |
Research Abstract |
1.GABA作動性シナプス前終末のニコチン性アセチルコリンレセプターへのミダゾラムの作用【福田・山本・窪田】:ラットの脳スライス標本を作成し、大脳皮質第V層の錐体細胞にホールセルパッチクランプを行い、GABA_A受容体を介する微小抑制性シナプス後電流(mIPSC)を記録した。mIPSCに対する静脈麻酔薬ミダゾラムの作用を調べたところ、シナプス前α7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化によってmIPSCの頻度が増加した。しかし、他のベンゾジアゼピンではこの効果はなく、また微小興奮性シナプス後電流(mEPSC)に対しても影響はなかった。さらに、V層以外の皮質各層でもこれらの効果はなかった。また、ニコチン単独投与では効果なく、ミダゾラム存在下でのニコチン投与で相乗効果がみられたため、ミダゾラムがα7ニコチン性受容体の細胞膜への移動を促進し、内因性アセチルコリンによりシナプス前終末からのGABA放出を増加させると仮説を立てた。これを実証するため、機械的急性細胞単離によるシナプスブートン標本を用いて、シナプス前終末をFM1-43で蛍光ラベルして同定し、蛍光(ALEXA-488)でラベルしたブンガロトキシンを用いてα7ニコチン性受容体の動態を共焦点顕微鏡で観察した。その結果、ミダゾラムがシナプス前終末のα7ニコチン性受容体の膜移行を誘導するという重大な発見をした。 2.ミダゾラムによるトニック受容体を介するGABA作動性神経伝達の調節【福田・山本】:シナプスから漏れだして神経細胞周囲に微量に存在するGABAがシナプス外のトニックレセプターを常に刺激して、持続的な抑制(tonic inhibition)を起こす。そこで、GABA_A受容体遮断薬による静止膜電流のシフトからトニックGABA_A受容体電流を記録した。ミダゾラムは皮質全層でトニックGABA_A受容体電流を増強したが、特に第V層での増強効果は他の層より有意に強かった。
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Research Products
(6 results)