2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659486
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
丸山 一男 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20181828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横地 歩 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60359768)
丸山 淳子 三重大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50263017)
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Keywords | 肺高血圧 / プロテインC |
Research Abstract |
本研究の目的は、プロテインCの肺高血圧発症、治療に関する役割を明らかにすることである。プロテインCインヒビター過剰発現マウスと野生型マウスでは、モノクロタリンによる右心室圧上昇が、野生型マウスで高度だった。肺胞洗浄液中のMCP-1、TNFα濃度も野生型で低かった。この結果は、プロテインC阻害が肺高血圧の発症を抑える可能性を示している。一方、プロテインCは抗炎症作用も持ち、細胞増殖を抑制する作用も持つことから、本実験の結果は予想外であった。ただ、本実験では、肺血管病変を直接検討していないので、肺血管の収縮という機能面に効いている可能性もある。プロテインCは、敗血症患者の予後を改善する。敗血症では、ARDSを発症し、ARDSは肺高血圧血管病変を発生する。今年度の結果を短絡的に考えるなら、プロテインCの投与はむしろ好ましくないということになる。プロテインCはトロンボモジュリンにより活性化されるが、トロンボモジュリンは、昨年の予備実験で肺高血圧の血管病変の発生を抑制する効果が期待できる。この結果は、今年度の結果と逆といえる。トロンボモジュリンには、プロテインCを活性化する作用以外にも、一酸化窒素合成酵素の燐酸化を促進する作用も最近知られている。一酸化窒素産生を高める治療は、肺高血圧の治療に有効である。したがって、トロンボモジュリン、プロテインCの周辺は、肺高血圧に関して、なんらかの影響を持つことは確実であり、今後、基盤研究に発展できる課題であることが判明した。
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Research Products
(5 results)