2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮前駆細胞移植による脳毛細血管再生と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
17659490
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 弘晃 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (20336697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90264738)
竹内 悪憲 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (50254305)
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70212462)
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Keywords | 再生医療 / green fluorescent protein / Green mice / 脳毛細血管内皮細胞 / 内皮細胞前駆細胞 / 血液脳関門 / 神経細胞障害 |
Research Abstract |
1.内皮細胞前駆細胞の単離 破綻した脳血管の再生を試みるため、内皮細胞前駆細胞(endothelial progenitor cell ; EPC)を使用する。EPCをそのマーカーであるCD34を指標に、抗CD34抗体を吸着させたマグネットビーズを使用し、抗原抗体反応により単離する。後に移植実験を行う際に、移植したEPCが生体内で追跡できるようにするため、green fluorescent protein(GFP)を全身に発現している"Green mice"(Okabe et al.,FEBS Letter 407:313-319,1997)の末梢血液からEPCを採取する。単離されたEPCは、励起光により緑色に発色するため、移植後も外来の細胞として認識可能である。なお、"Green mice"は、研究分担者である浅井から入手可能な状態であり、マグネットビーズを使用した細胞単離法は、当研究室にて既に確立できている。 2.In vitroにおける内皮細胞前駆細胞の脳毛細血管内皮細胞への分化 EPCが脳毛細血管内皮細胞(BEC)へ分化しうることをin vitroで調査する。単離したEPCをアストロサイトと様々な条件下で共培養した。共培養するアストロサイトの単離共培養システムは既に構築できている(Sobue et al.,Neurosci Res 35:155-64,1999)。BECに特異的な形質が誘導されることを確認することでBECへの分化がいい環境を見い出した。BECに特異的な形質としては、タイトジャンクション形成を電子顕微鏡的に確かめた。また、血管内皮細胞の形質として、Flk-1/KDR・Tie-2/Tekなどの特異的受容体の発現誘導を免疫組織染色にてさらに確認した。このように確立したBEC-アストロサイトの共培養系を用い、損傷した神経細胞への遺伝子治療を可能とするため、内皮細胞として定着した前駆細胞に神経栄養因子遺伝子を導入を試みている。
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