2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺塞栓症の病態である白血球・血小板凝集反応のRNA干渉法を用いたメカニズム解明
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17659492
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
溝部 俊樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50239266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 康文 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (70326239)
影山 京子 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80347468)
谷口 知史 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (70398402)
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Keywords | 肺梗塞 / 白血球 / 血小板 / Tissue Factor |
Research Abstract |
(研究計画)人工膝関節手術患者を対象に、肺梗塞の誘因となる白血球血小板凝集反応を主に周術期の炎症系マーカーの変動を測定し、これらの上昇と術後の肺血流シンチの結果との相関関係を調べ、D-dimerに変わる肺梗塞の病態重症度の新しい定量的指標を検討する事が一つの目的であった。Vitroの実験では白血球と血小板の相互作用を惹起する単球上の表面抗原等をRNA干渉法にてノックダウンする事により白血球血小板凝集抑制反応を観察する事によりメカニズムを解明する事も目的の一つとしていた。 (研究経過及び成果)研究成果として周術期において、ターニケット使用患者では非使用患者に比べ、CD14^+CD41^+細胞(Monocyte-Platelet Conjugate)、CD14^+CD62P^+細胞、血漿CD40L濃度、血漿Tissue Factor濃度が増加した。また、ターニケット使用患者でImpedance Aggregometerを用いた実験で血液凝固能が亢進し、術当日の肺血流シンチで有意に欠損像を示す確率が高かった。さらに血中CD14^+CD41^+細胞レベルと肺血流シンチの欠損発生率に正の相関関係がある事からLeukocyte-Platelet Conjugateの発生が肺梗塞発症の重要なメカニズムであることが示唆された。これらの結果は国内及び国際学会にて発表予定である。 また、Vitroの実験系に於いて単球と血小板の相互作用を調べるため、エレクトロポレーション法を用いて、siRNAをTHP-1細胞(単球系培養細胞)に遺伝子導入することにより、PSGL-1(CD162)をノックダウンし、血小板との相互作用による凝集反応が抑制されることを確認した。
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Research Products
(2 results)