Research Abstract |
本研究で購入申請したフリーラジカルアナライザー(APOLLO-4000,WPI社製)が,昨年末にようやく納品された.現在,アナライザーの調整を行っている.調整終了後に以下の実験を開始する. ハロタンで麻酔したラットより脳を摘出し,遠心分離機で脳ミトコンドリアを調製する.調製したミトコンドリアを,密閉チャンバー内でそれぞれの混合ガスに暴露する.高酸素(21%酸素+74%窒素+5%炭酸ガス)および無酸素(95%窒素+5%炭酸ガス)混合ガスを以下のように組み合わせる.Time control群(高酸素状態15分間),無酸素群(無酸素状態15分間),無酸素後高酸素群(無酸素5分後,続けて高酸素10分間),プレコンディショニング群(無酸素5分後,高酸素5分,続けて無酸素5分)とし,それぞれ正常,虚血,虚血後再還流,脳虚血耐性モデルとする. 一部の実験では,一酸化窒素合成酵素阻害薬L-NAME,ミトコンドリアATP感受性K^+チャネル開口薬あるいは拮抗薬(ディアゾキサイドおよび5-HD)を用い,以下の実験を行う予定である. 1)酸素消費量測定:フリーラジカルアナライザー(APOLLO-4000,WPI社製)で,付属の酸素電極を用いて,脳細胞ミトコンドリアの呼吸機能を測定する.4つの電子伝達系の呼吸酵素複合体I,II,III,IVに対し,その阻害薬として,それぞれロテロン(1μM),マロン酸(10mM),アンチマイシンA(0.1μM),KCN(100μM)を用い,ATP合成酵素阻害薬としてオリゴマイシンA(2μg/ml)を用いる.0.2mgタンパク質/mlのミトコンドリアに対し,リン酸,コハク酸,アスコルビン酸,ADPを添加してそれぞれの反応を開始させる. 2)一酸化窒素産生測定:フリーラジカルアナライザーで,付属の一酸化窒素電極を用いて,脳細胞ミトコンドリアの一酸化窒素合成酵素活性を測定する.
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