2005 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬・鎮静薬による中枢性呼吸抑制機序:膜電位イメージングによる動画像解析
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17659494
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
柏木 政憲 (社)北里研究所, 北里研究所病院, 研究員 (10245508)
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Keywords | 全身麻酔薬 / プロポフォール / 中枢性呼吸抑制 / 新生ラット摘出脳幹-脊髄標本 / 呼吸中枢 / 膜電位感受性色素 |
Research Abstract |
平成17年度は、延髄呼吸中枢に対する静脈麻酔薬プロポフォールの影響を、膜電位イメージング法による動画像として、ニューロンネットワークレベルで記録するための方法論の確立に努めた。 1.光学測定装置の選択 年度前半は、富士フィルム製Deltaron HR1700を使用して計測を試みたが、pre-trigger modeで信号の平均加算機能が作動せず、微弱な自発信号の測定には適さないことが判明した。そのため、平成17年12月から昭和大学医学部第二生理学鬼丸洋助教授を研究協力者とし指導・助言を受け、Brain Vision社製MiCAM01を使用し、比較的良好な結果を得ている。 2.膜電位感受性色素の検討 疎水性のDi-4-ANEPPSと、親水性のDi-2-ANEPEQの2つの色素について比較検討を行なった。後者は組織中の拡散性に優れ強度の強い信号が得られるが、時間経過とともに退色が大きいことを確認した。 3.静脈麻酔薬プロポフォールによる中枢性呼吸抑制作用の観察 (1)プロポフォールにより、傍顔面神経呼吸ニューロングループを中心とする吸息先行型ニューロンの活動は減弱し、吸息性ニューロン優位の呼吸パターンに変化する傾向が観察された。動画像の編集とプレゼンテーションにAdobe Photoshop、Adobe Illustrator、Macromedia Flash等のソフトウェアを使用した。 (2)Di-2-ANEPEQの存在下では、プロポフォールによる第4頸髄前根のバースト数減少が強められた。 (3)(1)の結果から、膜電位感受性色素の非存在下での観察が必要と考え、吸引電極により第4頸髄前根と第VII脳神経根の自発活動を高感度ACアンプ(日本光電社製AB-632J)で同時記録を行ない、前吸息相のトータルの自発出力へのpropofolの影響を検討開始した。
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