2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠障害モデルを用いた夜間多尿に関する内分泌学的、分子生物学的研究
Project/Area Number |
17659499
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 吉司 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10209968)
塩山 力也 福井大学, 医学部, 助手 (60345676)
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Keywords | 睡眠障害 / 多尿 / 脳波 / 抗利尿ホルモン / GABA / 睡眠導入 / 夜間頻尿 |
Research Abstract |
睡眠障害を有する動物モデルを考案し、睡眠障害と尿産生の日内リズムを解析してみた。われわれの考案した睡眠障害モデルは、ラットを代謝ケージ内でfree movingの状態とし、排床時間と排尿毎の排尿量をモニターする。昼間の睡眠時に床より低電流を2秒間だけ通電して覚醒を引き起こす。30分毎に電気刺激し浅睡眠状態を作成した。さらに飲水させずに腹腔内に生理食塩水10mlを注入し、睡眠障害が尿産生日内リズムに及ぼす影響について検討した。この睡眠障害の動物モデルはこれまでに報告がなく世界初と考えられる。Preliminaryな結果ではあるが、睡眠障害そのものによって何らかのメカニズムを介して尿産生リズムに狂いが生じ、尿量を増加させていることが解った。特に睡眠初期に多くの尿が産生され、また一回排尿量も減少した。次にラット睡眠時の脳波(EEG)を測定し、REM睡眠、non-REM睡眠の比率より疾患モデルとしての有効性も検討している。まだデータは集積中であるが、脳波測定は可能であることが解った。 睡眠障害を改善すれば、尿産生の日内リズムは改善するのであろうか。われわれは睡眠導入剤を経静脈的、あるは脳室内への投与を行い、尿産生リズムと膀胱容量について検討した。その結果、脳梗塞を作成したラットでは膀胱容量の有意な増加と、その増加が脳GABA_A受容体を介していることが解明された。また尿の産生は睡眠導入後減少することが観察された。この減少は、内分泌学的検討により抗利尿ホルモン(ADH)の分泌増加を伴っていないことが解明された。
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