2006 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性ポリマーを用いたテーラーメイド型遺伝子治療用ベクターの開発研究
Project/Area Number |
17659505
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
那須 保友 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 裕巳 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30144760)
雑賀 隆史 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10314676)
江原 伸 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70379741)
賀来 春紀 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60346426)
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Keywords | 生分解性ポリマー / 前立腺癌 / 遺伝子導入 / REIC |
Research Abstract |
17年度の研究成果として、ポリマーによる前立腺癌細胞への遺伝子導入が確認され、治療遺伝子導入による治療効果も確認された。しかし他の遺伝子導入ベクターに比べて導入効率が有意に高いとは言えずまた、細胞の種類によって導入効率に差があることが明らかになった。 本年度、研究協力企業である日東電エテクニカルコーポレーションより提供された生分解性ポリマーをもちいたところ前立腺癌細胞PC-3に対して目標とする40%の導入効率を得ることができた。特にポリマーを重層化した後に細胞を添加することにより導入効率がより向上することを新たに突き止めた。治療遺伝子としてREIC遺伝子を封入したポリマーを作成し前立腺癌細胞に対するアポトーシス誘導作用を検討しその存在を確認した。 また、対象を前立腺癌のみならず乳癌、悪性中皮腫に拡大し研究を実施しその導入効率を確認し、REIC遺伝子導入による治療効果をin vitroにて検討した。特に悪性中皮腫についてはヒト悪性中皮腫細胞211Hに対する導入効率が80%であることを確認し、ポリマーを用いたREIC遺伝子導入によるアポトーシス誘導作用を確認した。平成19年度は前立腺癌、中皮腫を対象にin vivoにおける実験を開始する予定である。 更なる導入効率の向上を目指しポリマーへの化学修飾を行うこととし検討を行ったが、ポリマーに脂肪成分を付加することにより前立腺癌細胞への導入効率が向上することが予備的実験において確認された。高効率、低毒性のポリマーを作成しその新規知的財産の可能性を含め19年度研究を継続する予定である。 REIC遺伝子に関してはそのアポトーシス誘導機能ドメインもわれわれの研究において突き止められており、その結果を応用し機能ドメインを発現したポリマーによるアポトーシス誘導作用も中皮腫細胞を対象として確認した。
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Research Products
(3 results)