2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復遺伝子欠損細胞を用いたDNA損傷抗癌剤感受性の網羅的検討とその臨床応用
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17659509
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 晃和 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (10381964)
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (10243031)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (90240952)
山添 光芳 京都大学, 医学研究科・放射線遺伝学, 助手 (00284745)
武田 俊一 京都大学, 医学研究科・放射線遺伝学, 教授 (60188191)
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Keywords | DNA修復 / 抗癌剤感受性 / エトポシド / 精巣腫瘍 / NHEJ / TLS / DT40細胞 / トポイソメラーゼII |
Research Abstract |
【緒言】泌尿器科領域において、化学療法抵抗性となった癌腫は、難治性となり生命予後に直接関与する。特に若年層に多く発生する精巣腫瘍では、化学療法で約70%が治癒可能であるが、残りは難治性となり予後不良であり、抗癌剤抵抗性を克服することが現在の課題である。DNA損傷型の抗癌剤による抗腫瘍効果は、DNAの損傷と修復のせめぎあいである。このため、抗癌剤投与後のDNA修復機構を検討することで、抗癌剤感受性の増強や補助化学療法の開発が可能となる。今回私たちは、DNA修復関連遺伝子欠損細胞株におけるトポイソメラーゼII阻害剤であるエトポシドの感受性を検討した。 【対象と方法】ニワトリBリンパ球由来のDT40細胞を用いて、様々なDNA修復関連遺伝子の欠損細胞株を作成した。これらの細胞にエトポシドを暴露させ、コロニーアッセイによって生存率を検討した。 【結果】DNA二本鎖切断後修復遺伝子の一つである、非相同DNA末端結合(NHEJ)の欠損株ku70,lig4はエトポシドに高い感受性を示した。当初予測されなかった損傷乗り越えDNA合成(TLS)の欠損株であるrev3,rad18も中等度の感受性を示した。ku70とrev3またはrad18との二重欠損変異株のエトポシドに対する感受性は、相加効果が認められ、NHEJとTLSは独立して、エトポシドによるDNA損傷の修復に関与している可能性が示唆された。 【まとめ】エトポシドによる抗腫瘍効果発現には、NHEJ以外に、TLSの機能低下の関与が考えられた。また、NHEJとTLSはそれぞれ独立してエトポシドによるDNA損傷の修復に関与していた。
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[Journal Article] Fen-1 facilitates homologous recombination by removing divergent sequences at DNA break ends.2005
Author(s)
Kikuchi K, Taniguchi Y, Hatanaka A, Sonoda E, Hochegger H, Adachi N, Matsuzaki Y, Koyama H, van Gent DC, Jasin M, Takeda S.
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Journal Title
Mol Cell Biol. 25(16)
Pages: 6948-6955
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[Journal Article] Similar effects of Brca2 truncation and Rad51 paralog deficiency on immunoglobulin V gene diversification in DT40 cells support an early role for Rad51 paralogs in homologous recombination.2005
Author(s)
Hatanaka, A., Yamazoe, M., Sale, J.E., Takata, M., Yamamoto, K., Kitao, H., Sonoda, E., Kikuchi, K., Yonetani, Y., Takeda, S.
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Journal Title
Mol Cell Biol, 25
Pages: 1124-1134