2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己骨髄由来間葉系幹細胞移植による声帯および周辺組織の再生
Project/Area Number |
17659530
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金丸 眞一 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信三 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90163526)
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
玉木 久信 京都大学, 医学研究科, 医員 (10378713)
田村 芳寛 京都大学, 医学研究科, 医員 (40397550)
岸本 正直 京都大学, 医学研究科, 医員 (30378682)
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Keywords | 声帯再生 / 自己骨髄由来細胞 / 複合組織 / 組織工学的手法 / 細胞移植 |
Research Abstract |
これまでにわれわれは、傷害された声帯再生を目的に、コラーゲン内で3次元培養された自己骨髄由来細胞の移植を試み、動物実験で良好な再生結果を得てきた。しかし、声帯のように上皮層、粘膜固有層、筋層といった複合組織で形成された臓器の再生に対し、移植細胞がどのように寄与しているかは、これまでまったく不明であった。本研究では、傷害組織に移植された多分化能を有する間葉系幹細胞を含む骨髄由来細胞が組織再生にどのようにかかわるかを検討した。 実験動物としてGFPトランスジェニックマウスを用い、大腿骨より骨髄を採取し、付着系の細胞を2週間培養後回収し、ヌードラットの声帯に障害を加えた後にその部位に移植した。この細胞移植後6週間で、ヌードラットを屠殺して喉頭の蛍光組織学的検討として、ケラチンとデスミンの発現の有無を観察した。その結果、移植細胞は、それぞれ障害部位に応じ上皮系のマーカーであるケラチンを発現しているもの、および筋系のマーカーであるデスミンを発現しているなどが観察された。すなわち、傷害された声帯内で移植細胞は上皮系、筋系の少なくとも2種以上の細胞に分化していることが分かった。 この研究の意義は、これまでは単一の細胞でできた組織の再生が主体であったが、声帯のような複数の細胞で構成された組織が、組織工学的手法で再生しうることが証明されたことにある。以上から、間葉系細胞移植が傷害声帯など複数の組織で構成された臓器再生に有効な治療法として期待できると考えられた。
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Research Products
(8 results)