2005 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物で高度に保存された新規細胞分裂関連タンパク質YPELファミリーの機能追究
Project/Area Number |
17659544
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 健太郎 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (80345826)
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Keywords | バーデット・ビードル症候群 / 細胞分裂 / 中心体 / YPELファミリー遺伝子 / 分裂装置 / ゲノム解析 / 遺伝子重複 / 分子進化 |
Research Abstract |
YPELファミリー蛋白質は、事実上すべての真核生物に極めて高い相同性を保持して存在しており、その遺伝子コピー数(パラログ数)は高等な生物ほど多い傾向があることを昨年度報告した。すなわち、哺乳類では5種類、両生類、鳥類では3種類、魚類、原索動物、節足動物、線形動物では2種類のYPEL、パラログ遺伝子の存在が確認できていた。しかし今年度、鳥類や魚類ゲノムの構造解明が進み、その結果を詳細に解析したところ、それらに新たなYPELファミリーメンバーが存在する可能性が予測された。特にメダカでは、YPEL5のオルソログと考えていたYpelb(後にYpelb1と再命名)とは別に、YPEL5により相同性の高いYpelb2が存在することがESTの解析でわかった。YPEL5の真のオルソログはYpelb2であると考えられる。哺乳類では、YPEL1〜4はアミノ酸配列で相互に83〜97%の高い相同性を持つが、YPEL5のみはYPEL1〜4とは44〜50%の比較的低い相同性を示した。YPELファミリーの系統樹解析から、脊椎動物で高等になるほどコピー数は増えたが、YPEL5だけは1コピーを保っていることがわかる。しかし、上記のメダカの結果から、魚類は例外でYPEL5相当のYpelbが2コピー存在することが明らかになった。一方、cos-7細胞を用いて細胞内局在をさらに詳細に解析したところ、YPEL1〜4は間期には中心体またはその周辺に存在するが、分裂期においては複数のドット状の構造が赤道面周辺部に局在することがわかった。また、YPEL5は間期には主に核に、分裂中期には紡錘体上に局在すること、さらに細胞質分裂時には中央体に局在を劇的に変化させることも明らかになった。現在、YPEL5の機能解明の手がかりを得るために、培養細胞で発現量を増減させる実験も進行中である。また、YPELファミリー蛋白質の局在とその変化が、バーデット・ビードル症候群原因遺伝子蛋白質の中心体における挙動とどのように関連するかも検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)