2006 Fiscal Year Annual Research Report
水晶体発育期のクリスタリン構造調節因子:SPring-8X線回折による統合的解析
Project/Area Number |
17659548
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
毛利 聡 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00294413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 洋 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70093672)
梶谷 文彦 川崎医療短期大学, 教授 (70029114)
清水 壽一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (80294403)
宮坂 武寛 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (60308195)
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Keywords | 水晶体 / クリスタリン / X線回折 / ナトリウムカルシウム交換体 |
Research Abstract |
発達期ラット水晶体を用いて、主成分蛋白であるクリスタリンの分子構造がどのような調節を受けて透明性。高屈折性という特性を獲得するかを生化学的解析及びX線回折による構造評価により検討した。生後5日、10日、15日で水晶体蛋白濃度を測定したところ、それぞれ274±40、347±42、569±61[mg/lens vol.]であった。X線回折では、5日では散乱のみが観察され、10日より直径15[nm]程度のクリスタリン会合粒子によると考えられる回折像が出現し、15日では成ラットと同様なリング状の回折像が完成した。一般に蛋白は高濃度になると凝集しやすいが、発達期水晶体は成長に伴う蛋白濃度上昇とともに低温に対して凝集を免れる機構を獲得する。X線回折像により、この低温白内障惹起時の分子構造を検討したところ、クリスタリン会合粒子径は変化しておらず、より小角の位置で観察される粒子間相互作用の変化により低温白内障が起きることが示唆された。 クリスタリン会合粒子の構造(直径約15nm、40量体)形成メカニズムの候補として各種クリスタリンの比率の変化に着日して、ラット水晶体に存在するαA、αB、β、γクリスタリン抗体を用いて水晶体連続切片を染色して検討した。水晶体は球面収差補正のため中心部の蛋白濃度がいが、クリスタリン抗体による染色では中心部が薄染となる傾向であった。これは中心部ほど会合粒子を形成して抗体接着を阻害することが原因と考えられ、抗体染色によるクリスタリン比率の違いを求めることは出来ず、現在ブロッティングによる解析を進めている。また、会合粒子の構造因子候補としてカルシウム代謝について調べるため、成長に伴うナトリウム-カルシウム交換体(NCX)の分布について検討した。その結果、会合粒子の主成分とされるαBクリスタリンとNCXの分布が非常に似ていることを発見した。
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Research Products
(2 results)