2006 Fiscal Year Annual Research Report
inv遺伝子トランスジェニックマウスを用いた胆道閉鎖症モデルマウスの確立
Project/Area Number |
17659556
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岩井 直躬 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90128695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 英一 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10197824)
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Keywords | 胆道閉鎖症例 / inv遺伝子 / 黄疸マウス |
Research Abstract |
目的:胆道閉鎖症は乳児早期に閉塞性黄疸を主訴とする疾患である。invトランスジェニックマウスはinversin geneの欠失によりホモ接合体(invマウス)は内蔵逆位と新生児重症閉塞性黄疸を示す。臨床においても内蔵逆位等の合併奇形を伴う胆道閉鎖症を時に経験する。今回の研究の目的はinvマウスが合併奇形を伴う胆道閉鎖症のモデルマウスとなりうるかを検討することにある。 方法:invトランスジェニックマウスのヘテロ接合体雌雄を交配させ、ホモ接合体(n=12)と野生型(n=12)を得た。血液検体から血清ビリルビン値、肝逸脱酵素を測定し、また、胸腔、腹腔内臓器の解剖学的構造異常と肝胆道系の組織形態学的異常を、野生型と比較検討した。 結果:invマウスでは総ビリルビン10.8±3.8mg/dl,直接ビリルビン6.2±2.1mg/dl、野生型では各々0.1±0.1mg/dl,0mg/dlであった。invマウスの92%に内蔵逆位、25%に腸回転異常、42%に十二指腸前門脈を認めた。肝組織像では肝内門脈周囲に増生胆管を認め、ductal plate malformation(DPM)を示唆する像であった。 考察:invマウスは肝外胆管閉塞を認めないが、肝内胆管の構造はDPMを認め、閉塞性黄疸の原因と考えられた。この肝内胆管の構造異常は臨床における胆道閉鎖症例でも時に経験し、胆道閉鎖症の病因の一つと考えられている。現在、この肝内胆管構造異常と閉塞性黄疸の関連、黄疸の発生機序について追究しているところである。
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Research Products
(4 results)