2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工酸素運搬体と経皮的心肺補助(PCPS)を併用した新しい心肺蘇生法の開発
Project/Area Number |
17659571
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
太田 圭 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 流動研究員 (00393207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妙中 義之 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 部長 (00142183)
巽 英介 国立循環器病センター(研究所), 研究評価室, 室長 (00216996)
武輪 能明 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室長 (20332405)
本間 章彦 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (20287428)
築谷 朋典 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (00311449)
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Keywords | PCPS / 人工酸素運搬体 / 人工赤血球 / 心肺蘇生 / 心肺停止 / 人工心肺 |
Research Abstract |
成ヤギを使用して全身麻酔下に、心室細動にて10分間の心肺停止状態を作成した。次にPCPSを用いて20分間の右房脱血、右頚動脈送血による呼吸循環補助(30 ml/kg/min、V/Q=1)を行った。その後、体外式除細動器にて自己心拍を再開させ、120分間観察した。PCPSにはテルモ社製人工酸素運搬体TRM645を充填した同社製Capiox EBS(エマセブ)を使用しTRM群(5頭)とした。対照群(5頭)には同量の生理食塩水を充填した。経時的に血行動態の計測を行い、また同時に酸素運搬量(DO_2)および酸素消費量(VO_2)を測定し、全身末梢組織での酸素代謝の指標とした。 全例において自己心拍の再開が可能であった。しかしながら、心肺停止中、PCPSのみによる呼吸循環補助では、対照群のVO_2がPCPS駆動5、10、15分後と減少し、低流量でのPCPS補助では全身末梢組織での酸素代謝維持は困難であった。一方、TRM群ではVO_2はPCPS駆動5、10、15分後の減少が軽微であった。また、DO_2は両群に差異はなく、酸素運搬が同等にもかかわらず、TRM群でVO_2が維持されていることより、組織への酸素到達が良好であることが示された。 以上より、心肺停止時のPCPSによる呼吸循環補助とTRM645の併用は、循環再開後早期の全身酸素代謝の維持する効果が期待できると考えられた。
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