2006 Fiscal Year Annual Research Report
軟組織接着および骨形成を促進する歯科インプラントシステム表面設計
Project/Area Number |
17659607
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塙 隆夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90142736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 隆之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00220773)
土居 壽 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30251549)
小林 郁夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40242268)
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Keywords | 歯科インプラント / 骨形成 / チタン / 金 / ガルバニー電流 / リン酸カルシウム / パターンニング |
Research Abstract |
歯科インプラント周囲の骨形成を促進するためにさまざまな表面処理方法の研究が行われているが、これらの方法が臨床において十分な成果を収めているとは言いがたい。一方、電気刺激は仮骨形成に有効であるとされている。しかし、長期間にわたり体内に電源や電極を埋入することは容易ではない。そこで本研究では、Ti製歯科インプラント表面の骨形成を促進させるために、Ti-Au間のガルバニー電流を利用することを目指し、擬似体液中でのTi-Au間のガルバニー電流に及ぼすTiとAuの面積比の影響および、リン酸カルシウムの生成に及ぼすTi上へのAuのパターンニング蒸着の効果を評価した。 Ti表面にさまざまなパターンでAuをスパッタ蒸着した試料を擬似体液中に605ks浸漬(静置)した。浸漬後、試料表面上におけるリン酸カルシウム析出量を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し、析出物したリン酸カルシウムの[Ca]/[P]比をエネルギー分散型X線分析装置(EDS)によって分析した。 パターンニングの例として、Ti表面にAuを円形パターンでスパッタ蒸着した試料を擬似体液中に浸漬した。このパターンニングでのTi/Au面積比は0.658となっている。比較材とした無処理のTi表面およびAuをスパッタ蒸着した試料のTi表面のそれぞれにおいて、リン酸カルシウムの析出が確認された。また、Auをスパッタ蒸着した試料の方が無処理のTiに比べてリン酸カルシウムの析出量が多かった。EDSによる表面分析の結果、Au上においてCaおよびPの析出は認められなかった。また無処理のTi上に比べて、Auをスパッタ蒸着した試料のTi上の方が[Ca]/[P]比より大きく安定なリン酸カルシウムとなっており、Auをスパッタ蒸着した試料の方がリン酸カルシウムの析出能が優れていた。さらに、Ti-Au境界に近い方が[Ca]/[P]比がより大きく安定なリン酸カルシウムが析出していた。
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Research Products
(3 results)