2005 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度酸を利用したチタン製歯科修復物の機能性表面改質法の開発
Project/Area Number |
17659616
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伴 清治 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10159105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 隆人 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (70152791)
門川 明彦 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (00169533)
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Keywords | 材料加工・処理 / 生体材料 / 歯科 / 金属物性 |
Research Abstract |
チタンは硬組織代替用材料として整形外科、口腔外科、歯周外科領域に広く応用されており、チタンの臨床応用は年々増加傾向にある。これは生体内での耐食性がきわめて良好であることが理由の一つとしてあげられる。一方、チタンは濃塩酸や濃硫酸のような還元性の酸には侵されやすいことが知られている。本研究では、高濃度酸処理によって生じた多孔質と生成皮膜を応用し、チタン製歯科修復物表面に機能的に活性化された改質層を付与する方法を開発することを目的とする。 今年度は酸処理条件の検討を中心に行った。酸の種類、濃度、処理温度、処理時間を変えてチタン板をエッチングし、その表面性状を測定した。酸の種類としては、塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸、リン酸などの無機酸を用いた。まず、浸漬前後の重量差から重量減少量を求め、処理後の表面状態は、X線回折および表面粗さ計を用いて、表面粗さを測定した。さらに走査型電子顕微鏡により表面の二次電子像(SEM)を観察した。最適な酸の選択およびその酸の処理条件と表面性状との相関を把握し、目的に応じた酸処理を可能とする。その結果、48%の濃硫酸が最適であり、とくに60℃に加熱し、浸漬1時間が良好な表面状態が得られた。さらに、この酸処理後にNaOHによるアルカリ処理により、擬似体液中での表面のアパタイト形成能が向上することを確認した。さらに、カルシウムイオン含有溶液とリン酸含有溶液とに交互浸漬することにより、アパタイトコーティングが可能であることを見出した。
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Research Products
(5 results)