2005 Fiscal Year Annual Research Report
信号処理回路内蔵のPSDを用いた小型・高精度の下顎運動記録システムの開発
Project/Area Number |
17659617
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (50226114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
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Keywords | 6自由度顎運動測定装置 / 3次元座標計測 / 咀嚼運動経路 / 開口量 / 咀嚼幅 |
Research Abstract |
信号処理回路内蔵のPSDを用いた小型・高精度の下顎運動記録装置を開発する目的で,はじめに市販の6自由度顎運動記録装置K3DMS2【○!R】のカメラ部分に2003年に欧州で発売された信号処理回路内蔵の高精度PSDを用いることにより,K3DMS2【○!R】をより小型化した.次いで,3次元読み取り顕微鏡に付着したLEDを上下,左右,前後方向に移動させた時の位置座標を信号処理回路を内蔵しないPSDを用いた従来の下顎運動記録装置と新たに製作した下顎運動記録装置を用いてsampling time10msecで1秒間計測後,得られた100個のデータから変動係数を算出し,装置間で比較した.その結果、信号処理回路内臓のPSDを用いることにより,6自由度顎運動記録装置K3DMS2【○!R】から増幅回路,加減算回路,除算回路を省くことができ,また新たに開発した下顎運動記録装置の出力信号は,信号処理回路を内蔵しないPSDを用いた従来の下顎運動装置の出力信号よりも有意に安定していた.そこで,20歳代の男性健常者5名に主咀嚼側でチューインガムを咀嚼させた時の運動を新たに製作した下顎運動記録装置(装置A)と東京歯材社製トライメット(装置B)で同時記録後,咀嚼運動経路を観察し,開口量と咀嚼幅について,両装置間で比較した.その結果,咀嚼運動経路は,いずれの被験者でも,装置Aと装置Bとが近似していること,また開口量と咀嚼幅は,装置Aと装置Bとが近似し,両装置間に有意差が認められなかった.これらのことから,新しく開発した信号処理回路内蔵のPSDを用いた簡便な3次元下顎運動記録装置は,トライメットと同程度の咀嚼運動を記録・分析できることが確認でき,臨床応用できることが示唆された.
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Research Products
(2 results)