2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨の再生に関する研究:PRPはBMP骨形成を促進するか
Project/Area Number |
17659619
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
村上 弘 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (50182100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90319202)
加藤 大輔 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00367616)
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Keywords | 新生骨誘導 / BMP / PRP / マウス |
Research Abstract |
目的:申請者は自己由来の多血小板血漿(PRP)をはじめ,他の血液成分の新生骨誘導のためのより良いキャリア,あるいはスキャフォードとしての適否,新生骨誘導の影響を調査した.加えて,血液抽出分画中に存在するTGF-βの骨誘導への関与も検討した.実験方法:BMPの作製方法は平成17年度実績報告書において記載した.遠心分離も行わない全血液成分を(W),Wを2400rpmにて5分間遠心分離し,沈渣した血球成分を(RBC),上清をさらに3600rpmにて15分間遠心分離し,上清として得られた貧血小板血漿(PPP),沈渣を回収しものを多血小板血漿(PRP)とした.これら各血液抽出分画を用いて,血小板数,TGF-β(ELISA法使用)含有量を測定した.また,BMP-血液由来生理活性物質を複合化し,in vivoにおける骨誘導実験試料群を作製し,マウス左下肢大腿骨筋膜空隙に移植した.病理組織学的観察,マイクロファーカスCT撮影を行った.結果:血小板数はPRPが最も多く(143.5×10^4/mm^3),W(65.72×10^4/mm^3)の約2倍,RBC(20×10^4/mm^3)の約7倍の数であり,PPPには血小板が認められなかった.TGF-β1濃度はPRPが最も多く(1305.98ng/ml),W(397.50ng/ml)の約3倍,PBC(276.06ng/ml)の約5倍,PPP(134.56ng/ml)の約10倍であった.これら抽出分画とBMPを複合した実験群においてPPP群を除き,いずれも有意に新生骨が増大した.また,各血液分画の新生骨誘導量と血小板数,TGF-β1含有量とも間に相関関係は認められなかった,抗TGF-β抗体を作用させたPRP群では,in vivoにおける新生骨誘導量が有意に低下した.この事から,各血液抽出分画に含まれるTGF-β新生骨誘導に関与していることが示唆された.
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