2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiを用いた自然免疫系制御による硬化性骨髄炎の治療戦略
Project/Area Number |
17659624
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鄭 漢忠 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (80180066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00109456)
出山 義昭 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (80271667)
吉村 善隆 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (30230816)
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Keywords | 自然免疫系 / 硬化性骨髄炎 |
Research Abstract |
慢性骨髄炎などの骨硬化を伴う疾患においては病巣局所に対する薬物の移行性が低下しており、治療上大きな障害となっている。骨硬化の原因としては局所に存在する骨芽細胞の機能が亢進し、石灰化が促進していることが推測される。病原体の侵入を特異的に認識することが知られているToll様受容体(TLR)がマクロファージ等の破骨細胞前駆細胞に発現しており、細菌性抗原などを認識して破骨細胞に分化することが知られている。本研究において、われわれは骨芽細胞におけるTLRを介したシグナルに関して研究を行い、それらの関与する遺伝子発現を制御することにより、硬化性骨髄炎の治療に応用することを試みようとした。 石灰化現象を観察可能な骨芽細胞としてMC3T3-E1細胞を用い、硬化性骨髄炎の原因の一つであると推測されるウイルスの2本鎖RNAの代用としてpoly(I):poly(C)を用いて実験を行った。 RT-PCR法ならびにウエスタンブロット法によりMC3T3-E1細胞には2本鎖RNAを認識するTLR3が発現していた。MC3T3-E1細胞をpoly(I):poly(C)処理すると転写因子STAT1の活性化が生じ、インターフェロン(IFN)β、CXCL10、TLR3の発現が増加した。これらの発現の増加は抗IFN-β抗体を細胞に作用させることにより抑制された。これらの結果からウイルス感染を生ずるとTLR3の発現を増加させ、感染に対するアンテナをさらに増加させること、また、IFN-βやSTAT1を標的としてこれらを抑制することによりウイルス感染により生じるシグナルを阻害することが可能であると推測される。 本研究においては実際に上記シグナルの抑制を行う実験までは終了することが出来なかったが、今後これらの因子に対する抗体やRNAiを用いた動物実験等により臨床応用への可能性について検討を行う必要がある。
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Research Products
(1 results)